感性のスピード: 「スヌーピーとチャーリー・ブラウン」
スヌーピーを覚えてますか。
文房具のキャラクターでは人気があって、子供のころはスヌーピーのグッズをたくさん持っていた記憶があります。でも、チャーリー・ブラウンの影は薄くて、しかも漫画やアニメは一度も見たことありませんでした。(実際はチャーリー・ブラウンが主人公で、スヌーピーはけっこうワル(!)な脇役)
50年代に生まれたこの漫画は、アメリカではかなりの定番子供向けアニメなようで、ある日夫が息子にDVDを借りてきたのでした。見せてびっくり。受けまくりです。とにかく、笑うところであろうがなかろうが、ほとんど全編を通してけたけたけた笑いまくり。テレビや映画にこんな反応をしたことは、今まで皆無だったので本当に驚きました。もちろん今では彼の一番のお気に入りです。
50年~60年代のアニメなので、ぱらぱら漫画の手法というか、一枚一枚絵を撮ってつなげているという感じがわかる、非常にシンプルなつくりではあるのですが、これが奥深い。
まず、ストーリーが非常に単純---というか、あってないようなもの。子供たちの会話や反応に重点がおかれていて、大きなヤマもないし、教訓じみたこともなければ、泣かせようという無理やりな押し付けもない。
そして、登場人物(完全に子供だけ)の動きが地味におもしろい。歩き方、しゃべり方、髪型とか。
それから、意味もなく音楽が多用されている。少年がただピアノを弾くシーンが、ストーリーにはあまり関係なく延々と続いたりなど。
とにかく、今の過剰な3Dアニメに慣れてしまうと、いい意味で「スカスカ」です。
子供たちが、子供たちの目線で、子供たちがほしい情報だけを入れてできあがったアニメ、という感じ。だからきっとうちの3歳半の息子が、「等身大」で楽しめたのでしょう。そして子供たちがほしい情報というのは、実はきわめてシンプル。派手なアクションも、はやりモノも、教訓も、お涙ちょうだいも、ストーリーすら要らないかもしれない世界。そしてもちろん、一番要らないのは「大人」。大人が一人も出てこない、大人目線での「これがおもしろいでしょ、あれがほしいでしょ」という押し付けが一切ない世界。
子供ができてから、映画館でアニメを見るようになって、その技術の進歩に驚くと同時に、何かそら恐ろしいものを感じていたのですが、チャーリー・ブラウンを見ていて、その正体がわかったような気がしました。実は年末に、予告編でディズニーの「クリスマス・キャロル」を見てました。最近多少パニックを患っているので、暗い映画館はけっこうやばいのですが、この映画はさらに、3Dで、モノの動きが異常にリアルで早く、そしてすごい勢いでこっちに迫ってくるのです。かなり追いつめられました。追いつめられて、脳がフリーズしたあとに、うわーっとキレそうな感覚がありました。「キレる」ってこういう感じなのかもしれないと思った瞬間でした。
なぜそんな感覚が起こるか。
スピードじゃないのかな、と思うのです。
頭で処理できないほどの、肉体の限界を超えたスピードが目に飛び込んでくると、負荷のかかったコンピューターと同じで、フリーズしておかしくなってしまうんじゃないかと。パニック症有りのおとなの私の処理能力は、子供や若者と同じくらいなのかもしれない。そしてその状態であれだけのスピードを目にさせられると、パンクするなと思いました。現代の子供がキレるのはなぜか、とよく議論されます。そして、ゲームがそのやり玉にあがることが多い。ゲームも肉体の限界を超えたスピードを持ってます。
興味があったら「チャーリー・ブラウン」をお子さんといっしょに見てみてください。子供の感性のスピードってこんなもんだったんだな、とか、自分もこんなスピードだったな、とか、思い出させてくれると思います。やたらめったらスピードを加速させている今の子供向けの映像、あんなのがほんとに必要なものなのか?個人的にはかなり危険性を感じています。だから宮崎監督も、手書きで「ポニョ」をつくったのじゃないかな。
文房具のキャラクターでは人気があって、子供のころはスヌーピーのグッズをたくさん持っていた記憶があります。でも、チャーリー・ブラウンの影は薄くて、しかも漫画やアニメは一度も見たことありませんでした。(実際はチャーリー・ブラウンが主人公で、スヌーピーはけっこうワル(!)な脇役)
50年代に生まれたこの漫画は、アメリカではかなりの定番子供向けアニメなようで、ある日夫が息子にDVDを借りてきたのでした。見せてびっくり。受けまくりです。とにかく、笑うところであろうがなかろうが、ほとんど全編を通してけたけたけた笑いまくり。テレビや映画にこんな反応をしたことは、今まで皆無だったので本当に驚きました。もちろん今では彼の一番のお気に入りです。
50年~60年代のアニメなので、ぱらぱら漫画の手法というか、一枚一枚絵を撮ってつなげているという感じがわかる、非常にシンプルなつくりではあるのですが、これが奥深い。
まず、ストーリーが非常に単純---というか、あってないようなもの。子供たちの会話や反応に重点がおかれていて、大きなヤマもないし、教訓じみたこともなければ、泣かせようという無理やりな押し付けもない。
そして、登場人物(完全に子供だけ)の動きが地味におもしろい。歩き方、しゃべり方、髪型とか。
それから、意味もなく音楽が多用されている。少年がただピアノを弾くシーンが、ストーリーにはあまり関係なく延々と続いたりなど。
とにかく、今の過剰な3Dアニメに慣れてしまうと、いい意味で「スカスカ」です。
子供たちが、子供たちの目線で、子供たちがほしい情報だけを入れてできあがったアニメ、という感じ。だからきっとうちの3歳半の息子が、「等身大」で楽しめたのでしょう。そして子供たちがほしい情報というのは、実はきわめてシンプル。派手なアクションも、はやりモノも、教訓も、お涙ちょうだいも、ストーリーすら要らないかもしれない世界。そしてもちろん、一番要らないのは「大人」。大人が一人も出てこない、大人目線での「これがおもしろいでしょ、あれがほしいでしょ」という押し付けが一切ない世界。
子供ができてから、映画館でアニメを見るようになって、その技術の進歩に驚くと同時に、何かそら恐ろしいものを感じていたのですが、チャーリー・ブラウンを見ていて、その正体がわかったような気がしました。実は年末に、予告編でディズニーの「クリスマス・キャロル」を見てました。最近多少パニックを患っているので、暗い映画館はけっこうやばいのですが、この映画はさらに、3Dで、モノの動きが異常にリアルで早く、そしてすごい勢いでこっちに迫ってくるのです。かなり追いつめられました。追いつめられて、脳がフリーズしたあとに、うわーっとキレそうな感覚がありました。「キレる」ってこういう感じなのかもしれないと思った瞬間でした。
なぜそんな感覚が起こるか。
スピードじゃないのかな、と思うのです。
頭で処理できないほどの、肉体の限界を超えたスピードが目に飛び込んでくると、負荷のかかったコンピューターと同じで、フリーズしておかしくなってしまうんじゃないかと。パニック症有りのおとなの私の処理能力は、子供や若者と同じくらいなのかもしれない。そしてその状態であれだけのスピードを目にさせられると、パンクするなと思いました。現代の子供がキレるのはなぜか、とよく議論されます。そして、ゲームがそのやり玉にあがることが多い。ゲームも肉体の限界を超えたスピードを持ってます。
興味があったら「チャーリー・ブラウン」をお子さんといっしょに見てみてください。子供の感性のスピードってこんなもんだったんだな、とか、自分もこんなスピードだったな、とか、思い出させてくれると思います。やたらめったらスピードを加速させている今の子供向けの映像、あんなのがほんとに必要なものなのか?個人的にはかなり危険性を感じています。だから宮崎監督も、手書きで「ポニョ」をつくったのじゃないかな。
by kinky25
| 2010-01-16 15:50
| アメリカ/カリフォルニア
筆者: 環境庁勤務・一児の母。 生息地: カリフォルニア・サクラメント。 ブログについて: サイエンスとトレンドを融合した、わかりやすいエコ・温暖化・サステナビリティ。コメント歓迎です(除く営業)
by kinky25
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