Ecosystem Services その2 生態系?生物多様性?

昨日は、「原料が一定でエネルギーが一定」と書きました。だから、製品である食べ物も、一定以上できようがない、と。

しっくり来なかったかもしれません。だって、例えば農業を考えてみると、生産高や生産効率はどんどんあがっています。昔は毎日食べれなかったお米が、今は毎日食べて、さらに捨てるほど生産されています。肉だって果物だってそうです。さらに、今は世界中どこで作った食べ物でも手に入れることができます。これは、一定以上できている、と言えるのでは?

確かにそうです。どうしてでしょうか?なぜ、原料が一定しかないのに、そこからできてくる製品がどんどん増えているのでしょうか?

b0069365_13381849.jpg仮に、原料である原子(多くは分子の形で存在します)が、地球上に一定の密度でばらまかれているとしましょう。海にも、熱帯雨林にも、草原にも、湖にも、砂漠にも、雪山にも、完全に平等に。

みなさんなら、どこに畑をつくりますか?もちろん、緑の部分-熱帯から温帯にかけての地域を選ぶのではないでしょうか。なぜ?作物がよく育つから。

上の図、あまりうまくできていませんが、緑色が熱帯から温帯、青は海や湖、茶色は砂漠のイメージです。黄色く塗られている部分が、「生物がたくさん住む地域、作物がよくとれる地域」です。黄色の部分、一定じゃないです。私たちが畑を作るのに選んだ地域が濃くなっています。

ということは、原料が一定なのに、そこからできる製品の量が、地域によって違う、ということになります。地球はちょっと傾いている、と学校で習いました。そのため、当たる日光の量が場所によって違います。その違いは、温度の違いや降雨量の違い、はたまたそのせいで起こる地形の違いとなります。その違いが、地球という工場の「作業要員」である生態系の豊かさを決めます。作業要員の多い地域-熱帯や温帯は、大規模な工場と化し、ものすごい勢いでいろいろな生産活動を行っているわけです。光合成から窒素固定から、何から何まで。

反対に、温度が低すぎたり、雨が少なすぎたりする場所には、作業要員をたくさん配置することができません。そういう厳しい環境に適した種だけしか生き残れない環境なので。それでも、与えられた環境で最大限の生産量を実現すべく、地球は適材適所、最適化を推進し、砂漠にはサボテンやガラガラヘビを配置したりしているわけです。

地球は、世界中に工場をはりめぐらし、作業要員の量や種類を調整しながら、一定の原料と、一定のエネルギーを使って、全体でその生産量が最適になるように日々進化している。おそろしく複雑なシステムです。このシステムの中では、生態系に属する生き物は、複雑にからみあい、関係し合って最適な環境をつくりだしています。Biodiversity(生物多様性)の話を前に書きましたが、なぜ生物多様性が大事か、なんとなくイメージできてきましたでしょうか。生物が多様=作業要員が豊富、ということなのです。営業もマーケもSEも受け付けも・・・あ、社長も必要ですかね?いろいろな役割を果たす要員がいて、成功している会社のように。

これだけの役者を揃えている地球は、自力で改善を続けていけるわけです。

でもここで、人間の登場です。

人間は、太陽エネルギー以外のエネルギー源を発見し、それを使って、CO2を撒き散らしながら、生態系以外の作業要員をつくりだしました。人間の世界の「工場」や「農地」などです。それは、とりあえず地球という工場よりもずっと生産効率がよかったので、人間はどこにもかしこにもそれを作りました。その結果、地球はモノも食べ物も豊富になりました。でもその陰で、ひっそり、粛々と生産活動をしていた生態系が、世界中で踏みつけられ、壊されていきました。中にはもう元には戻らないものもたくさんあります。

エコロジカル・フットプリントのペタは、このようにして生態系を「踏みつけた」ペタです。この代償は大きいです。Ecosystem servicesの内容を、イメージしてみてください。

もう少したったら、車は生産できるけど、きれいな飲み水や、魚の住む海はない。とか、山は大雨を吸い込まないで全部土砂崩れになる。とか、都会はスコール・冠水との戦いになる。とか、そいういう時代になっていくかもしれません。
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by kinky25 | 2007-09-18 14:05 | カンキョウの話。


筆者: 環境庁勤務・一児の母。 生息地: カリフォルニア・サクラメント。  ブログについて: サイエンスとトレンドを融合した、わかりやすいエコ・温暖化・サステナビリティ。コメント歓迎です(除く営業)


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