IPCC報告書-世界への最後通牒?-
先日ノーベル平和賞を受賞したIPCCの、温暖化に関する最新のレポートが先日発表になりました。厳しい内容になりました。「水」と「食糧」に重点をおいて、各地域の温暖化の影響を少しだけ(ほんとに少しだけです)抜粋してみたので、ぜひ読んで下さい。
アジア
*2050年までに、中、南、東、東南アジアで、人間の活動に使える水の量が減る。特に大河川の流域でその傾向は顕著。
*東、南、東南アジアでは、水の循環のサイクルが変わり、主に洪水や旱魃による下痢性の伝染病による死亡率が上がる。
北アメリカ
*西海岸の山岳地帯では積雪が減り、冬の洪水が増え、夏の水量が減り、ただでさえ足りない水資源の争奪が激しくなる。
*現在南限の耕作地で作られている穀物は生産性に大きな影響を受ける。
*現在熱波が起こっている地域では、その激しさ、長さが増し、さらに健康被害がひどくなることが予想される。
オーストラリア・ニュージーランド
*2020年までに、グレートバリアリーフやクイーンズランドなど、豊かな生態系を誇る地域で生物多様性に甚大な被害が出る。
*2030年までに、南、東オーストラリア、ニュージーランド、ノースランドと東側地域で水不足が問題化する。
*2030年までに、農業、林業生産がほとんどの南、東オーストラリア地域と一部の東ニュージーランドで減少する。これは旱魃と火事が増えるせい。
ヨーロッパ
*南ヨーロッパの気候の変化に敏感な地域では、さらに水不足が起こったり、穀物の生産高に影響が出たりする。
*熱波による健康被害と、山火事の発生率が増える。
アフリカ
*2020年までに、750万から2億5千万人の人たちが水不足の影響を受ける可能性がある。
*2020年までに、雨水で農業をしている国では、収穫高が50%も現象する可能性がある。
ラテンアメリカ
*2050年までに、熱帯雨林がサバンナにとってかわられ始める。
*いくつかの主要穀物と家畜の生産性が減少する。
*人間が飲み水や農業、水力発電に使える水の量が大きく影響を受ける。
*****************
IPCCのような国際的権威のある団体は、よっぽど「ウラ」がとれていることでなければ断言しません。下手なことを書けば各方面から批判されたり、揚げ足をとられたりするからです。だから、これは「保守的な見積もり」ともいえます。保守的な見積もりが、これなんです。
今の豊かな生活が、どんなにもろく、どんなにあっけなく崩れ去ろうとしているか、ということが、少しでも伝わればと思います。
目を閉じて、自分の子供や子供たちが、数十年後(100年後とかではないんです!)に放り出されるかもしれない厳しい世界を想像してみてください。食べ物や水が十分になく(思い出してください、日本は食糧の60%を輸入しています)、熱波や伝染病に苦しみ、大きな洪水や台風におびえなければならない世界。彼らには何の罪もないのに。
私は、そんなところに子供たちを送り出したくありません。それなのに、一人の力はあまりにも小さいです。自分の非力さが情けない。いつもはなるべく楽しく、をポリシーに書いていますが、今回の報告書にはさすがにちょっと絶望的&感傷的な気分になっています。
もし、子供たちのために少しでも何かしたいと思ってくださったら、ぜひこの報告書を読んで下さい。今日本語版を探しています。
子供たちを守りたい。
テキスト出展:Summary for Policymakers of the Synthesis Report of the IPCC Fourth Assessment Report DRAFT COPY 16 NOVEMBER 2007 23:04 日本語訳は私がしていますので、原典を優先してください。
アジア
*2050年までに、中、南、東、東南アジアで、人間の活動に使える水の量が減る。特に大河川の流域でその傾向は顕著。
*東、南、東南アジアでは、水の循環のサイクルが変わり、主に洪水や旱魃による下痢性の伝染病による死亡率が上がる。
北アメリカ
*西海岸の山岳地帯では積雪が減り、冬の洪水が増え、夏の水量が減り、ただでさえ足りない水資源の争奪が激しくなる。
*現在南限の耕作地で作られている穀物は生産性に大きな影響を受ける。
*現在熱波が起こっている地域では、その激しさ、長さが増し、さらに健康被害がひどくなることが予想される。
オーストラリア・ニュージーランド
*2020年までに、グレートバリアリーフやクイーンズランドなど、豊かな生態系を誇る地域で生物多様性に甚大な被害が出る。
*2030年までに、南、東オーストラリア、ニュージーランド、ノースランドと東側地域で水不足が問題化する。
*2030年までに、農業、林業生産がほとんどの南、東オーストラリア地域と一部の東ニュージーランドで減少する。これは旱魃と火事が増えるせい。
ヨーロッパ
*南ヨーロッパの気候の変化に敏感な地域では、さらに水不足が起こったり、穀物の生産高に影響が出たりする。
*熱波による健康被害と、山火事の発生率が増える。
アフリカ
*2020年までに、750万から2億5千万人の人たちが水不足の影響を受ける可能性がある。
*2020年までに、雨水で農業をしている国では、収穫高が50%も現象する可能性がある。
ラテンアメリカ
*2050年までに、熱帯雨林がサバンナにとってかわられ始める。
*いくつかの主要穀物と家畜の生産性が減少する。
*人間が飲み水や農業、水力発電に使える水の量が大きく影響を受ける。
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IPCCのような国際的権威のある団体は、よっぽど「ウラ」がとれていることでなければ断言しません。下手なことを書けば各方面から批判されたり、揚げ足をとられたりするからです。だから、これは「保守的な見積もり」ともいえます。保守的な見積もりが、これなんです。
今の豊かな生活が、どんなにもろく、どんなにあっけなく崩れ去ろうとしているか、ということが、少しでも伝わればと思います。
目を閉じて、自分の子供や子供たちが、数十年後(100年後とかではないんです!)に放り出されるかもしれない厳しい世界を想像してみてください。食べ物や水が十分になく(思い出してください、日本は食糧の60%を輸入しています)、熱波や伝染病に苦しみ、大きな洪水や台風におびえなければならない世界。彼らには何の罪もないのに。
私は、そんなところに子供たちを送り出したくありません。それなのに、一人の力はあまりにも小さいです。自分の非力さが情けない。いつもはなるべく楽しく、をポリシーに書いていますが、今回の報告書にはさすがにちょっと絶望的&感傷的な気分になっています。
もし、子供たちのために少しでも何かしたいと思ってくださったら、ぜひこの報告書を読んで下さい。今日本語版を探しています。
子供たちを守りたい。
テキスト出展:Summary for Policymakers of the Synthesis Report of the IPCC Fourth Assessment Report DRAFT COPY 16 NOVEMBER 2007 23:04 日本語訳は私がしていますので、原典を優先してください。
by kinky25
| 2007-11-18 14:43
| カンキョウの話。
筆者: 環境庁勤務・一児の母。 生息地: カリフォルニア・サクラメント。 ブログについて: サイエンスとトレンドを融合した、わかりやすいエコ・温暖化・サステナビリティ。コメント歓迎です(除く営業)
by kinky25
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