排出権取引・もう一度おさらい。

日本はついにハンガリーから排出権を買う方向で交渉を始めたそうです。もし日本がハンガリーから1000万トン全量を買った場合、200億円規模の出費になるとのこと。大きなお金ですね。

ところで、排出権取引ってそもそも何?

CO2排出をみんなで減らそう、という国際的な話し合いは、ずいぶん前から重ねられてきましたが、なかなか進みませんでした。みんな他の国より貧乏くじをひきたくないわけで、「誰がどれだけ減らす」かを決めるので常にもめています。京都議定書も、その過程ではずいぶん紛糾したようです。

b0069365_15132682.jpgその中で浮上してきたのが、排出権取引です。これはいわば、自分で減らすのが無理とわかった時点で、よその国にお金を払ってCO2削減を「代行」してもらうしくみです。この仕組みを導入することによって、「どうしても減らせない場合は、お金で解決できる」という逃げ道と、「目標以上に減らしたら他の国に売れる」というインセンティブができました。



取引で支払われたお金は、省エネ対策などに使われることになっています。

「代行」と書いたんですけど、では今回の場合、ハンガリーは、日本に排出権を売るために、具体的には何をしているのでしょうか。

もしかしたら、何もていないかも。

そもそも、EUは京都議定書にEUとしてグループで参加していて、削減目標もグループ全体で設定しています。京都議定書は1990年の排出レベルに対してX%削減、という目標です。東欧の国には、経済が停滞してしまったために、何もしなくても1990年よりもCO2の排出量が減っている国々があります。そういう国が、EUのグループ目標の達成を簡単にし、さらに日本のような国に余剰の削減量を「売る」ことさえ可能にしている、というわけです。これは「ホット・エアー」と呼ばれたりもしています。ハンガリーの場合はEU加盟が遅かったので、EUではなく単独で6%削減という目標を与えられていますが、経済停滞によるホット・エアーを持っている、という部分は同じです。

「経済が停滞すること」でご褒美をもらうようなもので、「削減努力の成果」とはいえない、という事実は否めません・・・・。

結局のところ、京都議定書はフェアではないし、国家間の排出権取引の枠組みは、とても政治的です。日本と並んで一番厳しい目標を背負っていたカナダ(一国で6%削減。EUはグループで8%削減)が早々に達成をあきらめて抜けてしまったので、日本は一人おいてきぼりになって四苦八苦している、という感じもあります。もしかしたら、お決まりのパターンで、結局お金を払うのは日本だけ??

国際間でCO2削減を話し合うCOP13(国連気候変動枠組み条約)がもうすぐ始まりますが、またまたもめそうです。(京都議定書はCOP3でした)

何はともあれ、排出権取引のような政治的な動きと、一人ひとりがCO2を減らす努力は、わけて考えようと思う今日このごろです。どこの国がどう動こうが、誰が貧乏くじをひこうが、「減らさないといけない。」という事実は変わらないのですから。
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by kinky25 | 2007-12-02 15:33 | カンキョウの話。


筆者: 環境庁勤務・一児の母。 生息地: カリフォルニア・サクラメント。  ブログについて: サイエンスとトレンドを融合した、わかりやすいエコ・温暖化・サステナビリティ。コメント歓迎です(除く営業)


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