カテゴリ:カンキョウの話。( 201 )

Carbon trust: 世界を相手に低炭素営業をしよう。

「温暖化対策」と聞いて、一般的には何を連想するでしょうか。エアコンの設定28度とか、箸持参とか、打ち水とか、ゴミの分別とかプリウスとか・・・。日々の生活の中の温暖化対策はそんな感じだと思います。

もうひとつの「温暖化対策」の顔は、もっとマクロ経済的。「低炭素社会(経済)への移行」という、パラダイム・シフトです。これはものすごく大きなテーマで、成功すれば、社会のあり方を全く変えてしまう可能性のある選択肢です。

すなわち、石炭、天然ガスなど、燃やすとCO2を出すエネルギーから脱却して、新しい代替エネルギー(太陽、風力、地熱、水素・・・・)に立脚した超省エネ社会を構築する、ということ。エネルギーという、すべての活動(食べる、つくる、動かす・・・・)の原動力になるものを変えるのですから、社会の基盤が変わる、ということです。

b0069365_13551339.jpgそのお題目についてはまた今度ということで、今日はイギリスのCarbon Trustのお話。イギリス政府が100%出資してつくったCarbon Trustという会社は、完全な独立性を保ちつつ、低炭素社会に移行するための最先端の活動(知識、ノウハウの提供、ベンチャーへの資金援助、ビジネスモデルの創出、エコレーベルの制定など・・・・)をしています。

実は、このCarbon Trustのメンバーが、今カリフォルニアを行脚しているのです。平たく言えば、営業です。州都のあるサクラメントはもちろん、南から北まで、おどろくほどまめに都市を回ってプレゼンを続けているようです。

Carbon Trustは利益を出す必要のない会社体系なので、本来であれば営業する必要なんてないのかもしれません。にもかかわらず、イギリスでの成功事例をひっさげて、アメリカ、ヨーロッパ、中東、中国など世界の広い地域で「営業」しているのです。

想像ですけど、理由は2つ。1つは、純粋に世界が低炭素社会を実現するためのノウハウを世界に提供したい、ということ。2つ目は、世界に生まれつつある「低炭素」業界を牽引し、大きくし、そしてそこでリーダーシップをとりたい、という野望、ではないかと思うのです。

アル・ゴアの野望がそうであったように、おそらくイギリスもまた、この「低炭素社会への移行」という大きな社会的チャンスをものにすべく、世界を相手に営業を始めているのです。

カリフォルニアも、それに続こうとしています。

日本はどこでしょうか????「ポスト京都議定書で云々・・・・」とかごちゃごちゃ言っているアメリカ連邦政府と一緒になってぐずぐずしていたのでは、国としては乗り遅れているでしょう、完全に。こと環境の世界では、「アメリカ連邦政府とつるんでる」=遅れてる、と失笑を買いかねないぐらいなのですから。

ぐずぐずしている間にも、船は動き始めています。今様子を見て出遅れるのは、泥舟に乗って沈むのを手をこまねいて見ているようなもの。国がだめなら一般企業でもいいし、地方自治体でもいいし、NGOでもいい。とにかく動ける人が動いて、あちこちに食い込んでおくことが超重要です。エコキュートを持って、世界を営業して回ろう。そのぐらいの積極的なアクションが、今必要だと思います。じゃないと「低炭素社会」という新しいパラダイムで、リーダーシップを発揮するどころか、二軍三軍に甘んじることになるでしょう。

せっかく売れる技術や知識があるんだから、今攻めないと。じゃないと間に合わないと思うのです。
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by kinky25 | 2008-08-09 13:55 | カンキョウの話。

エアコン設定28度は、世界進出できるか。

アメリカの冷房の温度設定、かなり低いです。

カリフォルニアは電気の値段がよその州より高くて(ということは供給がタイト)、夏にはよくFlexAlertといって、省エネをよびかける警告が発令されます。で、省エネのひとつの手段がエアコンの設定温度を下げること。でも、それでも78F(26度)なんです。

b0069365_142997.jpg私の働くビルは環境庁ですからもちろん率先してFlexAlertを守っているのですが、寒い!夏場の今、外に出ると100度の世界なので厚着はしたくないのですが、職場にいるときは夏服だと寒くて、カーディガンはかかせないし、自分のキューブにこもるときは、こっそり靴下を履いたりもしてます。ワンピースを着ていきたいと思っても、職場が寒いと思うと着ていけません(涙)。

26度がこんなに寒いとは思ってもみませんでしたが、これはまだいいほう。温度設定に気を使わない施設や家では、もっともっと寒いのです。(そしてそういう場所のほうが多いと思われる)

またまた大きな声では言えませんが、体感温度は皮下脂肪と関係があると思っています。このブログにしょっちゅう登場するObeseの方々は、やっぱりちょっとでも温度が上がると「暑い暑い」と騒ぎます。こないだは、彼らと乗り合わせた車で冷房をがんがんに入れられ、風邪を引きました。(私は痩せ型で寒さに弱いのです) 
暑がる人と寒がる人だと、暑がる人のほうが圧倒的に文句を聞き入れてもらえているような気がします。

普段こんな言い方をすることは絶対にしたくないのですが、どこに行っても寒くて、最近はちょっとストレスがたまっています。「この寒さを誰とも共感できない上に、改善してもらえない・・・」というストレス。誰かに、氷のように冷たくなった私の足を触ってもらいたい・・・。(逆セクハラか?)

国連のビルで、カジュアルな服装を奨励して冷房の設定温度を上げる試みが始まったそうですけど、その設定温度が驚きです!なんと22.2度から25度に、とか21.1度から23.9度に引き上げる、というレベルだというのです。26度でも寒いのに、21度とか25度とか、あり得ないです!

だからアメリカは一人当たり20トンもCO2を出してるわけです。(日本やヨーロッパは10トン弱)ただちに28度に上げてほしいです。カリフォルニアの26度は寒いので、湿度がなければ28度は適温なはず。
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by kinky25 | 2008-08-02 14:10 | カンキョウの話。

脳がないのに、賢い自然。

Redwoodの森のキャンプ場は1930年代につくられたと書きましたが、これはGreat Depression(大恐慌)の時代。おもしろいことに、大不景気を乗り切るため、州がたくさん行った公共事業の一環だったそうです。公共事業で森林公園のキャンプ場づくり。意外でした。

1850年ごろから始まったゴールド・ラッシュで人がカリフォルニアに押し寄せてから、こうやって1930年に保護の手が入るまで、どうやらこの貴重な森林は好きなように伐採されていたようです。

b0069365_12301889.jpgこのように大きな切り株があちこちに。樹齢100年ではきかないでしょう。何百年もかけてじっくり育ってきた木が、ほんの50年ほどで壊滅にちかいぐらい伐採されてしまったとは残念なことです。今ある森は、その乱開発のあとに植えなおされた第二世代の森とのこと。

さて、こうやって大木を切り倒したあと、当時の人たちは土地を開墾して牧草地にしようとしたらしいです。ところが、このRedwoodの木は、切り倒しても切り株から新しい木が育ってくるのだそうです(下の写真は、切り株から育っている若い木)。

結局はどうしても完全に森を掃って開くことができず、牧草地計画は断念せざるを得なかったとこのこと。そして森は保護され、新たに植林されて第二世代へとつながれました。

b0069365_12473016.jpg

このあたりは、太平洋から湿った空気が流れ込んでくる谷のようになっていて、からっからに乾いたカリフォルニアにあるのが信じられないぐらい豊富な水系と湿度に恵まれています。つまり、このような森林にぴったりの気候と地形の条件。まわりの土地に水を供給する大事な役目を果たしていると思われます。もしこの森が全部切り倒されて平原になっていたら、カリフォルニアの水系と生態系(人間も含み)は、大きなダメージを受けたでしょう。

・・・・ということをRedwoodたちが知っていたはずはないのですが、切り倒されてもそこから新しい木に命をつなぐ、という方法で、人間たちの浅はかな計画から自分たちの身を守ったばかりか、結果的にはこのあたりの土地全体の生態系を守ったことになります。

Redwoodには脳がないし、地球というシステムにも脳はないはずなのですが、どうしてどうして、もっとも効率よくサバイバルする、ということに関して、ものすごく高度な順応性を持っているのです。しかも、下手に脳がある人間の浅知恵よりも、ずっと深かったりして。

「自然」というと、「何も考えないで、心を無にする場所」というイメージがありますが、当の自然のほうは、ありとあらゆる手段をつかって、「持続可能なサバイバルとは」という大テーマと日々戦っているのです。恐れ入ります。
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by kinky25 | 2008-08-01 12:44 | カンキョウの話。

サステナビリティとは3分でシャワーを浴びることである。

Mendocino Woodlandsというキャンプ場は、1930年代につくられた施設で、そのころからほとんど手を加えられていないそうです。

b0069365_12501314.jpg
このような森の奥深くにあり(といってもMendocinoの街から30分強)、ものすごく背の高いRedwoodに囲まれていて、昼間でも少し薄暗いほど。

b0069365_12532876.jpg
1930年代からかわらないキャビンは、その当時はまだ豊富にあったRedwoodの大木を使って作られたのでしょうか。80歳とは思えないほどとてもしっかりしています。とはいえ、窓は網戸だけでガラスもはまっていないし、もちろん電気も水道もありません。トイレ、シャワーは共同。中央にある集合棟にキッチンがあり、みなそこで料理します。

「できるだけ手を入れない」というコンセプトで運営されている公園だと思うのですが、それにしても気持ちいいまでに何もない場所。夜の娯楽はキャンプファイヤーだけ。正直なところ不健康な暮らし出身の私には、軽くアウェーの洗礼でした。そして、濾過タンクで水を補給しているらしく、旱魃の今年は水が圧倒的に不足中。

b0069365_12585261.jpgトイレもなるべく流さないでください。シャワーは3分でお願いします!

ということで、やってみました、3分シャワー。いやー忙しいです。3分しかないと思うと、常に次の動きを考えながら行動しないといけないので、リフレッシュしてる暇なんて全くありません。がーっと頭を洗って、がーっと体を洗って、がーっと流して、急いで水を止める。

自然に手を入れないで、なるべくそのままで。環境に負荷がかからないように。

そういうやり方をしようとすると、やっぱりシャワーは3分しか使えないし、夜は電気もないのでキャンプファイヤー。早く寝て朝日とともに起きる。

結局そういうことなんだと思います、エコかっこいいだとかなんとかおためごかしてみても。

自然と共存する、って甘くない。厳しいことなんだ、と改めて。
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by kinky25 | 2008-07-31 13:08 | カンキョウの話。

キャップ・アンド・トレードとは。

温室効果ガスの削減で、「排出権取引」という言葉が一時注目を浴びましたが、最近は取引のひとつの形として、キャップ・アンド・トレードという方法が主流になりつつあるようです。

キャップ・アンド・トレードをわかりやすく説明すると・・・・。

生徒30人のクラス(A組)があったとします。A組の1学期ののべの遅刻日は、100日でした(平均一人3.3日の遅刻)。これではいけないと学級会が開かれ、2学期は遅刻日を60日に減らすことで合意しました。

さて、どうやってこの目的を達成しましょう?

遅刻と一口にいっても、いろいろな理由があります。ただサボっている子。病気で通院しないといけないので、毎週必ず遅刻してこないといけない子。家が非常に遠く、親に送ってもらわないといけないために、道路状況で遅刻する場合がある子。家計を支えるために夜アルバイトをしていて、朝寝坊してしまうことがある子。

このようないろいろな理由をひとからげにして、「全員2学期は2日以上休んではいけません!それ以上休んだら罰として校庭30周(古?)。」と決めてしまうと、どうしても休まないといけない子や、不可抗力の理由で休まないといけない子からは不満があがるでしょうし、実際問題目標を達成することもできません。休んじゃダメ、といわれても休まざるを得ないからです。

ではこういう方法はどうでしょう。60日、という目標を作っったので、学級会で「遅刻カード」を60枚発行して、生徒全員に2枚づつ配ります。生徒は、遅刻1回につき、カードを一枚使わないといけません。当然、2回遅刻したら自分のカードを使いきってしまいます。

ですが、中には一日も遅刻してない子がいるでしょう。そういう子は、カードを使い切ってしまった子に、未使用のカードを売ることができるのです。つまり、遅刻をしない子には、遅刻をしないことで「カードを売る」というインセンティブができる。遅刻を2回以上する子は、あまったカードを他の生徒から買い取ることで、ペナルティを回避できる。もちろんそうこうしながら、病気の治療や引越しなど、できることをそれぞれの家族が考えて、遅刻をなるべく減らせるような環境をつくっていきます。いづれにしてもカードは全部で60枚しかないので、生徒たちはその枚数の範囲内で効率的に取引をすることが予想されます。

これがキャップ・アンド・トレード。目標に天井を設けて(キャップ)、その範囲内で取引(トレード)する、ということです。キャップ・アンド・トレードのいいところは、頭ごなしに「とにかく2日以上遅刻しないこと。それ以上はペナルティ」と決めるやりかたと違って(こういうやり方をコマンド・アンド・コントロールといいます)、遅刻をしない子(目標以上に達成する)にご褒美を与えることで、「できる人がどんどん達成する」ことを奨励し、結果として誰がやろうとも全体で目標を達成できる、というところです。「2日以上遅刻しないこと」というルールでは、1日も遅刻しない子には何のメリットもないので、だったら2日遅刻しよう、となる可能性がありますが、キャップ・アンド・トレードなら、余った分を売れるので、俄然「遅刻しないでがんばろう」というやる気が出るというわけです。

EUとイギリスで去年あたりから始まった、温室効果ガスのキャップ・アンド・トレード。温室効果ガスを排出する施設にそれぞれキャップが設けられて、それを達成するために個々の施設が排出権を取引するという仕組みです。Aというガス会社は、2008年は100トンまで温室効果ガスを出していい、と決められたら、それは100枚のカードをもらったということ。もし80トンしか出さなくてすんだら、20枚分はよその会社に売れます。逆に、もし120トン出してしまったら、20トン分は他から買って調達しなければなりません。市場に出回るカードの総量が、達成目標と同じに設定されているので、全部のカードを使い切っても、目標は達成されたことになります。

今度はアメリカで(東海岸のRGGIと西海岸のWCI)実施が計画されています。

どんな結果になるのでしょう。また折を見てレポートしてみたいと思います。
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by kinky25 | 2008-07-24 15:22 | カンキョウの話。

アメリカの将来、日本の将来

アメリカの田舎の話を長々と書きましたが、実はそれを見ながら考えていたのは、日本のことでした。

創意工夫を忘れつつある国・日本と、創意工夫が最初から必要ない国アメリカ。たどってきた道筋が違っても、今いるところは同じような場所かもしれないな、と。

でもここから先は、多分また分かれ道。

アメリカの田舎の暮らしはエコではありません。でもそんなアメリカの田舎でも、やっと最近は世界的な資源の目減りの余波が感じられるようになりました。ガソリンの高騰や食料の値段の高騰がいい例です。さらに、世界を揺るがしたサブプライムのつけが回ってきて、景気はすごく悪くなってきています。田舎レベルでのサブプライムのつけって、何も難しい経済問題じゃなくて、ローンが払えなくて家や車が抵当に入ったり破産したり、レイオフにあったりと、そういうことです。

ということで、アメリカもこれからはさすがにがまんの時代に入っていくのかな、と思われます。でもやっぱり超大国なので、がまんの度合いが、他に比べてやっぱり少ないんだろうという気がします。

超大国アメリカは、この先世界的な資源の目減りが明らかになってきたら、どんな手を使ってでも、最終手段に訴えてでもそれを確保しようとする可能性があります。そして最終的には、今までどおり資源の多くをを独占し、勝ち組でい続けるのではないでしょうか。

片や日本は、資源の目減り競争に勝ち残れる可能性はほとんどないのじゃないでしょうか。中国からの輸入が途絶えただけでも、アウトでしょう。そしてそうならないという保障はどこにもないと思います。

そうなったときに、今まで日本を支えてきた創意工夫がなくなってしまっていたら、この国は本当に空洞です。強い日本経済は、効率や性能の髄を極めようとする創意工夫、最低限のインプットから、最大限のアウトプットを引き出そうとする探求精神の賜物だった。

でも、それが成功したことによって、逆にその創意工夫を忘れてしまうとは皮肉な話です。これからは時代が逆戻り。最低限のインプットから、最大限のアウトプットを引き出さないといけないフェーズがまたやってくるであろう、というのに、それを乗り切る術を、日本人は忘れてしまっているかもしれない。

今ならまだ間に合うと思うのです。

これからどんな国になるのか。じり貧で没落していくのか、モノではな創意工夫(くソフトウエア)や技術で価値を生み出す、サステイナビリティのひとつの形を体現するような国になるのか、その分かれ目にある日本。

温暖化対策は、ここ5-10年の取り組みが正念場といわれていますが、日本の未来もけっこうこの10年ぐらいが大きなターニングポイントなんじゃないかという気がします。
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by kinky25 | 2008-07-21 14:05 | カンキョウの話。

田舎暮らしって全然エコじゃない!アメリカ編 その5

工夫や知恵は貧しさと関係している、と書きました。なぜ都会ではなく田舎に昔の伝統が残っているかというと、田舎は大きい資本や新しい技術から取り残されることが多いからですよね。私の実家も田舎ですが、平均所得は低いかわりに、杵と臼でお餅をついたり、職人じゃないのにそばを打ったりできるお年寄りたちがまだ残ってます。

都会にどうしてそういうものが残らないかというと、金も技術も豊富にあるからでしょう。昔ながらの非効率な方法でやる必要がない。でも、かといってすべて都会より田舎のほうがいいかというとそうじゃない。いろいろな人が集まる都会には、たくさんの情報や、多様性や、新しい考え方や、水準の高い教育や、偏見のない、オープンな心や、そういうものがあります。

さて、カリフォルニアは元来豊かで住みやすい場所です。気候がよく、農作物もとれる。土地も広いから、田舎に行けば広い家も手に入る。さらに、ゴールド・ラッシュから始まって、シリコンバレーに引き継がれた開拓精神は、カリフォルニアに資本をどんどん集めたと思われ、やっぱり他の州と比べるとずいぶん生活水準が高いはずです。

b0069365_13351536.jpgだから田舎といっても、取り残され度が低いと思われます。こうなると、慎ましく、手に入るものを大事に細々と暮らす、という感じからはほど遠いです。ハードウエアだけは万全に揃う、といったところでしょうか。こないだパーティがあった家も、ジャンクフードを食べていながら庭には大きなプール、リビングには最新の液晶TV・・・・。週末はでかいトラックでボートをひっぱって、近くの湖に遊びに行くのかもしれません。国が強いがためにガソリンも安い。都会と違って住宅も物価も安いから、プールつきの大きな家もそんなに難しいことじゃない。なんか羽振りよさげ?

ですが、ハードウエアが万全なのに、やっぱり田舎は田舎。ソフトウエアがついて行っていません。つまり、情報、教育、多様な考え方、豊富な経験などが、やっぱり田舎にはないのです。

ジャンクフードを子供に食べさせても、それがよくないことだ、と理解できるだけの情報を持っていない。料理のレパートリーがない。きちんとした料理をしらないから、濃くて油っぽい味、甘い味以外のものをおいしいと感じることができない。

クーラーをがんがんつけっぱなしにしてはよくない、とか、ゴミはちゃんと分別して捨てないといけない、ということを誰も教えてくれない。そういうことがエネルギーや資源の無駄遣いで、地球を破壊しつつあり、数十年後自分たちの首を絞めるかもしれない、ということに思い当たることもない。

ガソリンは安いもの。食べ物はジャンクなもの。そして、好きなだけ食べていいもの。車もどんどん大きくして、どこまでも運転していいもの。家も好きなだけ広くつくって、プールもついているもの。それが水資源の少ないカリフォルニアだったとしても。

そういう感じで、とにかく国や州が強いことで受けた恩恵を当たり前に受け取って、それを疑ってみるこもなく、安心して快楽におぼれ、どんどん資源を浪費し、どんどん太っていってしまう。創意工夫?そんなのディスカウントショップで買って来い、ってな感じでしょうか。

これが都会だと、情報も教育も環境もあるので、人々はもっと危機感を持っていますし、人口密度が高く土地がべらぼうに高いので、いろいろなものを工夫して効率的に使うことにも慣れています。だからサンフランシスコと田舎を比べたら、サンフランシスコのほうが何十倍もエコだろうと思います。太った人もずっと少ない。

たくさんの人が病的に太るという事態は、いろんな原因と結びついているものすごく深い社会問題なのだと思います。アメリカの田舎を見ていて、本当にそう思います。そして誤解を恐れずに言うならば、そういういろんな原因のひとつひとつが、サステナビリティから遠く離れたところにあります。端的に言えば、資源の使い道と使う量を間違えてる、ということ。だから、そういう現象が起きている場所はエコじゃない、と思うのです。

ものすごく批判めいた記事になってしまいましたが、言いたかったことはもうちょっと違うことでした。次で本当に最後にします。


写真:アメリカ人がぶーぶー言っているガソリンですが、それでもリッター120円になるかならないかというところ。でもフランスではすでに250円以上と聞きました。本当でしょうか。Photo 
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by kinky25 | 2008-07-18 14:10 | カンキョウの話。

田舎暮らしって全然エコじゃない!アメリカ編 その4

前回書いたとおり、私たちが「田舎暮らし」という言葉から連想するのは、昔ながらの、とか、おばあちゃんの知恵、とか、伝統、とかそういうイメージですよね。要するに貧しかった時代の創意工夫の経験を、記憶として持っている土地、という思い込みです。

あえて思い込み、と書いたのは、日本だってそういう記憶はどんどん薄れてきていて、ほぼ絶滅危惧品種になってきていると思うから。何千年も貧しくても、たった50年豊かになっただけで、人はその何千年もの知恵の積み重ねを忘れてしまうらしいです。

であれば、国が300年もたってなくて、そのうち貧しかったことがほとんどないアメリカに、「ない中から工夫する」という知恵や工夫の記憶が、あるはずもないのです。

国が貧しかった間は、創意工夫や知識・知恵をためるのは、「必要だから」でした。その努力をしないと死活問題だったわけです。ごはんでおにぎりをにぎっただけだとすぐいたんでしまう。じゃあ、中に梅干を入れて、塩をつけて握ったらいい。・・・・そういうアイディアのひとつひとつが、必要に迫られて出てきた工夫です。

でも国が豊かになったら、創意工夫も、知識も知恵も必要なくなった。だってコンビニに行けば食べ物はあるし、冷蔵庫もレンジもある。テレビもネットもあるから知識も知恵も努力してゲットする必要はない。社会が豊かになった今、学力低下が叫ばれているのは当然のことだと思います。努力の価値が下がったのです。

そして不思議なことに、カリフォルニアにおいては、努力の価値は田舎に行くほど低いのかもしれません。

次回で終わりにします。
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by kinky25 | 2008-07-18 14:09 | カンキョウの話。

田舎暮らしって全然エコじゃない!アメリカ編 その3

昨日は貧しさのことを書きました。

ところで日本という国は、ほんの50年ぐらい前までは、とても限られた資源だけに頼って生活しなければいけない国でした。現代の日本が豊かなのは、「輸入」がうまく機能しているからというだけの理由です。それがなければ、資源(エネルギーも食料も、モノも)が有り余るほどあった、という時代は、一度もないと思います。

だから日本の伝統文化には、少ないところからたくさんのものを生み出す工夫や知恵がたくさんある。食べ物だけ見てみても・・・・。

b0069365_1317944.jpg長く保存するためにあみだされたしいたけや高野豆腐の乾物は、生の状態よりも栄養が凝縮されている。野菜が少ない東北の冬では、漬物が貴重なビタミン源だった。少ないインプットから、最大限のアウトプットを引き出すための「腹八分目」や「一汁三菜」。あるものを大事に食べるための「いただきます、ごちそうさま」。三十品目軽くクリアしていそうな、美しい松華堂弁当。

数え始めたらきりがありません。あるものから最大限の栄養を取ろうとすると同時に、味や美的センスも発達させた。ものすごく豊かなナレッジベースです。

日本人はよく「年取ったら肉や脂っぽいものは食べられない。量もたくさんは食べられない。」といいますが、これもそういう流れのひとつなんだろうと思います。日本人の遺伝子に蓄積された、何千年分の食料の記憶の中には、「少ないインプットから、最大限のアウトプットを確保せよ」という指令が組み込まれているんじゃないかと思うのです。

若くて新陳代謝がいいうちは何でもたくさん食べれますが、そういう時期をすぎたら、長年の進化のなかで体が覚えた「少ないインプットから、最大限のアウトプットを確保する」食生活に、体が戻っていこうとするのではないでしょうか。肉も脂も砂糖も、細く長く、健康で暮らすためには過剰摂取はよくないし、トータルの量も食べすぎは禁物。そういう限界値が、体に組み込まれているのかもしれません。だからそれを超えると体が反応してダメ出しをする。
もちろん日本には、肉だとか砂糖だとか、嗜好品だとかが豊富にあった時代は、現代を除き一度もなかった。であれば、そういうものをたくさん摂取することを前提として日本人の体はデザインされていない、ということなのかもしれません。

いずれにしても、この日本人の食生活は、サステイナブルでエコです。この理屈で言えば、昔ながらの生活を守り、田舎で暮らすこと→エコ。となりそうですが。

なぜアメリカではそうならないのでしょうか。
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by kinky25 | 2008-07-16 12:50 | カンキョウの話。

田舎暮らしって全然エコじゃない!アメリカ編 その2

さて、アメリカに住んでみて思ったのは、世の中には2つの「貧しさ」の形があるということです。ひとつは、国自体が貧しくて、どう転んでも一人ひとりに回ってくる食べ物もモノも足りない、という状況。戦後の日本や、現在の発展途上国がそうだと思います。

もうひとつは、国は豊かなのに自分は貧しい、という状態。格差社会のアメリカには、驚くほどたくさん貧しい人がいます。(ホームレスからNBAの選手になった・・・なんてサクセスストーリーが、今でも本当の話としてあります)でも、国としてみたら世界一の経済大国。なので、巷にあふれているモノにも格差があって、そのバラエティ(ピンからキリまで)と量がものすごく豊富です。

b0069365_14441096.jpgパンひとつ買うのでも、ふつうのスーパーで買えなければCostCoへ、CostCoでもだめなら99セントショップへ、その先は・・・・。国に生産力と購買力があるから、高いものから安いものまで、いいものから悪いものまで、さまざまな質のものが調達されている。そのバラエティの階段を、貧しい人はひとつひとつ降りていくのかもしれません。

モノの量が圧倒的に不足している貧しさの中では、人は工夫をする、という気がします。ない中から何かをひねり出そうとする。それ以外に方法がないからです。

ところが、安物があふれている中での貧しさは、ちょっと質が違います。とにかく安きに流れて買う、ということで解決しようとする。

小麦粉を500円で1キロ買って、それを麺にしたり、団子にしたり、パンにしたり工夫して一週間しのぐのが工夫。でも、安物に囲まれた貧しさの中では、毎日70円のパンを買ってしのぐ、という解決方法を選んでしまうかもしれません。

なぜなら、工夫は、頭も使うし、時間も労力もかかるし、めんどくさいからです。

アメリカの田舎暮らしの話なのですが。。。。。さらに続きます。


写真:全店すべて99セント!ここだけで生活用品がすべて揃うかもしれません・・・・
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by kinky25 | 2008-07-15 14:24 | カンキョウの話。


筆者: 環境庁勤務・一児の母。 生息地: カリフォルニア・サクラメント。  ブログについて: サイエンスとトレンドを融合した、わかりやすいエコ・温暖化・サステナビリティ。コメント歓迎です(除く営業)


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