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カテゴリ:音楽( 26 )

大波乱のグラミー賞!

みんなびっくりした今年のグラミー。

なんといっても、インディーズのままグラミー最大の賞である年間最優秀アルバム賞をかっさらってしまったArcade Fire。一夜明けて今日のアメリカのネット上では、「アーケード誰?」というつぶやきが飛び交い、まさに「波乱」と訳せる"Upset"の文字がニュースに躍っておりました。音楽シーンはどこの国でもそうなのかもしれませんが、アメリカの音楽シーンもけっこう細分化されていて、例えばラジオでもメインストリームの音楽しか流さないようなステーションは、多分Arcade Fireは流しません。したがって、今回最優秀アルバム賞にノミネートされていたアーティストのうち、Lady GagaやEminemなど、他の全部のアーティストを知っていても、Arcade Fireは知らなかった、という人が多かったはず。

Arcade Fireについては、去年二つ予想したことがあって、ひとつがどれかグラミーを獲るだろうということ(まさか一番でかいのとは思いませんでしたが)と、4月に開催されるCoachellaのヘッドライナーになるだろうということ。どちらも当たってしまいました。誰からも賞金は出ませんが、Coachella行きたいなあ。

b0069365_14491388.jpgさらに、ジャスティン・ビーバーを抑えて(笑)最優秀新人賞を獲得したEsperanza Spaldingのサイトは、怒れるビーバーファンの書き込みで炎上??したらしいです。この彼女、私も知りませんでしたが、バークリー音楽院を優秀な成績で卒業した天才ジャズベーシスト&シンガーとのこと。ビジュアルだけでもすごくキュートな女性ですが、演奏しているところを見るとやっぱり天才です。一般的に「天才」というと、孤高であったり、奇人であったりという感じもしますが、この人は上原ひろみさんのように純粋に明るい天才という感じです。

後は、パフォーマンスではJanelle Monaeがよかったです。
Lady Gagaはどうやら賞味期限が終了したようです。

去年はつまらなかったグラミーですが、今年はおもしろかったな。

長い休養を経て見事に復活したエミネムの、どれだけ稼いでも、どれだけ上り詰めても、全然減退しない獰猛さと、もはや天然記念物、いまだに皮パンはけるミック・ジャガーのロックンローラー体型に敬意を表しつつ。
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by kinky25 | 2011-02-15 14:46 | 音楽

Arcade Fire / Greek Theatre, UC Berkeley

UC(カリフォルニア州立大学)システムの中でも最高峰であろうUCバークレー校を擁するバークレーはまた、ヒッピーカルチャー全盛の時代にはヒッピーたちの聖地でもあった。インテリジェンスとオルタナ文化、上流とゴロツキが不思議に調和して共存する大学街の中心に位置するグリーク・シアターは、古いコロセウムのような野外劇場。草(?)の香りがたちこめるこのVenueに、これほどふさわしいバンドもない・・・アーケード・ファイヤ。

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2日間のバークレー公演(キャパ8000以上)をほぼソールド・アウトにしたカナダ・インディーズの大物は、果たして「ライブ・バンド」としての前評判を全く裏切らなかった。勾配の急なグリーク・シアターは、すり鉢のようにステージに向かって逆円錐が収束しているのだが、その逆円錐の底に向かって流れ込んだ興奮、熱気、踏みならす足といったものの重みで、劇場の底が抜け、その先には宇宙のような広大な闇がただただ広がっている---観衆はみな、音楽に体を委ねて飛び跳ねるうち、いつしかすとんとその闇に解き放たれている。

・・・・という幻覚を(草ではありませんが)見た。この感じは、このバンドの前にはたった一度しか感じたことがない。レディオヘッドである。ライブ会場の時空をねじまげ、強力な磁場で観衆を宇宙のごときだだっ広い闇の世界へ連れ去ってしまうレディオヘッド、彼らと同じようにアーケード・ファイヤもまた、ライブ空間を再構築し、どことも知らない裏穴から、オーディエンスを巨大な彼岸の世界へ放り込んでしまう力を持っている。

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間違いなく後世に名を残すであろうバンド、アーケード・ファイヤ。彼らのすごさはやっぱりライブで体感するものだろう。この振動に身を委ねたならば、孤独や絶望のその先にあるものが解き放たれて、彗星のように遠くに流れていくのが見える。
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by kinky25 | 2010-10-05 13:59 | 音楽

今年のグラミー賞

今年のグラミー賞は、いまいちぱっとしませんでしたね。

受賞者の顔ぶれも、パフォーマンスも、新鮮な驚きがなかった。ビヨンセの王者ぶりとか、PINKのシルク・ド・ソレイユみたいなパフォーマンスとか、マイケルの追悼とか、目玉はあったのだろうけど、想像の範囲内という感じで、音楽的に身の毛がよだつような感じはなかった。私の愛するMaxwellも一冠達成かつ歌も歌いましたが、ずいぶん緊張していたようでもあり、あまり大きなステージが似合う人でもないので会心の一撃とはいかなかったみたい。そして最後まで意味がわからなかったタイラー・スウィフト。数ヶ月前の何かの賞でカニエ・ウェストが茶々入れて大ひんしゅくを買いましたが、ちょっとカニエの肩を持ちたくもなりました。

そんな中で、「これ、誰?」だったのがこの人。

b0069365_1645138.jpg「レスポール」というギターで有名な Les Paulが去年亡くなったので、その追悼のステージがあり、そこでジェフ・ベックと共演して、ひときわ目を引いた女性ボーカリスト。

奇妙な巻き髪に時代錯誤な真っ赤な口紅。場末の売春宿のおかみのような迫力もあり、ちょっとハスキーですごく雰囲気のある歌声で、なぜかブルース・ブラザーズの映画の世界を思い出しました。

彼女の正体は、イメルダ・メイ。アイルランド出身のロカビリー歌手とのこと。
アイルランドというのがおもしろい。行ったことはないのだが、アメリカへの移民が多いせいなのか、アイルランドが舞台の映画では、いつもパブで古いアメリカのポップス--まさにロカビリーみたいなのがかかってた感じがあって、でも陰鬱なアイルランドでかかっているアメリカン・ポップスは、やはり底抜けに明るくは聞こえず、どこかうっ屈して地下に潜行していくようだった。

彼女のロカビリーもそんな感じ。スタイルはアメリカ産だけど、ソウルはアイルランドの空の下。

アメリカにこういったアプローチで切り込んでくるというのは、まさにエイミー・ワインハウスの第二弾という感じなのかもしれないが、エイミーほど生々しくグロテスクではなく、もっとシアトリカル。個人的にはエイミーよりもこちらが好みだ。
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by kinky25 | 2010-02-08 16:59 | 音楽

さようならマイケル

昨日のお昼、職場で誰かが突然「ファラ・フォーセットとマイケル・ジャクソンが死んだって」と言い出し、みんな騒然となってネットで情報収集にあたりました(仕事しろ)。早い段階では情報が錯綜していて、本当に亡くなったのだと確信するまで数時間かかりました。

b0069365_16502666.jpgいまだに信じられませんが、それと同時に彼にこれ以上の未来が待っていたのかどうか、それもわかりません。アメリカは現在マイケル一色です。サクラメントでも今夜は追悼集会があるようです。テレビもラジオもずっとマイケル。残念ながら、ゴシップがらみの映像や整形や負債の話も多い。それはスーパースターであったMJの本質ではなかったはずなのに。

メディアでの見出しは、一様に「King of Pop」となっています。

この言葉、日本ではあまりぴんと来ないかもしれないけど、やっぱりすごい称号だと思います。なぜなら彼が黒人であったから。

MJは58年生まれ。幼くしてジャクソン5でデビューしたころは、まだ人種隔離政策が色濃く残っていて、彼らも黒人専用のハコにしか出演できなかった、と読んだ記憶があります。キング牧師が暗殺されたのがMJが10歳のころですから、まだまだそういう時代だったのでしょう。

それでももちろん、彼の先輩たちにも人種を超えて愛されたアーティストはたくさんいました。ジェームス・ブラウン、ダイアナ・ロス、スティビー・ワンダー、アレサ・フランクリン・・・・。でもやはり彼らは、「ブラックミュージック」という閉じられたカテゴリーの頂点に立っていたのだという気がします。

MJは、それを飛び越えました。彼はブラックミュージックの頂点を極めたのみならず、ついにはアメリカの、そして世界のエンターテイメント業界の王として君臨することになったのです。これはまさに、人種差別の壁を破った「世界制覇」とでもいえるぐらい画期的なことであったはずなのです。多分彼は、エンターテイメント業界におけるブラックミュージックの位置づけを完全に塗り替えてしまった。

彼がいなければ、今みたいなヒップホップ全盛の時代は、もっと遅れてきたのかもしれません。

それがKing of soulではなく、King of Popという称号の大きさ。

残念ながら、最後の15年ぐらいは、彼は音楽ではなくゴシップの記憶に残るだけの人となってしまったけれど、だからといって彼が残した音楽が廃れることはないと思います。

といっても、私は「スリラー」以降のMJはリアルタイムで体験したわりには全然ぴんと来ません。ジャクソン5と、そしてアルバム「Off the wall」、これがほんとに偉大だと思ってます。このキラキラ感は、あのときの彼にしか表現できなかったキラキラ感だと思います、Rock with you


あと10年もたてば、くだらないゴシップは廃れ、あとには音楽だけが残る、そう思いたいです。マイケルはやっとネバーランドに行けたのかもしれません。合掌。
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by kinky25 | 2009-06-27 16:46 | 音楽

Utadaは本当にアメリカでブレイクするのかも?

サクラメントローカルのヒップホップ/R&Bラジオ局を聴いていたところ、何の前触れもなく「ユタダ」の曲がかかり、びっくり。(「Utada」はさすがに発音むずかしいらしい)今回のアルバムで全米再進出を狙っているというのはどこかで読んだのですが、本当にここまで浸透してきているとは、驚きでした。前後の流れからしても、「日本人モノ」「イロモノ」という感じはまったく感じられず、自然にはまっていたのでさらに軽くうなってしまいました。まあもちろん、アメリカでも売れっ子のプロデューサーと組んだのですから当たり前かもしれませんが、それでも立派なものだと思います。

b0069365_584251.jpg「海外進出」を狙うにあたり、日本のアイデンティティなるものも少しは挿入しておこうということでしょうか、今回はなんと坂本龍一の「戦場のメリークリスマス」がサンプリングされています。おもしろい戦略だと思います。曲の仕上がりもなかなかです。

サブカルチャーの世界では、「日本発」はけっこうブームだと思いますが、どっちかというとやっぱり少しイロモノっぽい扱いのような気がします。特にグウェン・ステファニーがブームに火をつけた「原宿系」とかはかなり浸透していて、最近ではブティックのマネキンも日本人顔だったりするのですが、でもやっぱりイロモノっぽさ、キワモノっぽさが残る。

Utadaさんはイロモノになることなく、自然に浸透しそうですがどうでしょうか。今後が楽しみです。

さてヒップホップ系といえば、日本語でやるラップには限界があるのかどうなのか?という問題にはいろんな方が取り組んでいるのでしょうが、日本語のラップで普通に「うわっかっこいい」と振り返ってしまったことが最近ありました。

これです。「マッハGo!Go!Go!」の英語版(スピードレーサー)のテーマソング。このウォシャウスキー兄弟の映画、去年鳴り物入りで公開されたそうです。私はカー系にはからきし弱いので、子供と夫がテレビでこれを見ていたときも他のことをしていて見てませんでした。ところがエンディングでこれがかかったとたん、振り向いてしまいました。もちろん、往年の「マッハGo!Go!Go!」のテーマ曲が下敷きになっているので、脳内に記憶が残っていることもあるでしょうが。

この曲のおもしろいところは、日本人プロデュースじゃなくてアメリカ製であるところ。そのせいか、日本語の響き具合が微妙に日本語離れ(??)していて、英語やスペイン語(かな?)との掛け合いの浮揚感がかなりいい塩梅だと思います。これは誰がやっているのでしょうか???曲単体ではなく、やっぱりマッハGo!Go!Go!の映像とともにパッケージで海外に浸透した日本文化という感じでしょうか。

「マッハGo!Go!Go!」ってかっこよかったんだな~・・・・・。(ちゃんと見たことはないが)
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by kinky25 | 2009-03-31 04:56 | 音楽

Maxwell @ Paramount Theatre, Oakland

ここまで上質なコンサートは久しぶりでした。

ライブの演出で何に重きをおくかは、アーティストによって違うでしょう。ステージングだったり衣装、ダンスであったり、そして最近は映像に凝ったり。

b0069365_13451226.jpgMaxwellのライブは、それが「ミュージシャン(バンド)」だったと思います。

当たり前のように聞こえるでしょうが、これが以外とそうじゃなかったんだ、と思い知りました。他のライブと、音の厚みがまるで違ったのです。確かに多少大編成ではありましたが(ドラム、パーカッション、ベース、ギターX2、キーボード、トロンボーン、サックス、トランペット、それにコーラス)人数の問題ではない。質の高いミュージシャンたちが奏でる音は、解像度の高い画像のように、ふちのぎざぎざがまったくない、すべすべした川の石のような、シルクのような、なんともスムーズで美しいものでした。いいワインにえぐみがないのと同じ。そして、彼らがMaxwellの音楽を心から理解している、ということが手に取るようにわかる音の一体感とグルーヴ感。

デビュー頃のMaxwellといえば、ポール・スミス。。。。というイメージでしたが、あいかわらずそういう感じで、少し光沢のある落ちついたグレーのスーツを身にまとい(もちろんシャツは白)、体ひとつ、声ひとつで会場を熱く溶かしてしまうあたり、「もう、オトナなんだから・・・」という感じ。前面に出ていたミュージシャンたち以外、ほとんど何の演出もありませんでしたが、むしろ音とMaxwellがいれば他には何も要らない、他の何にも頼らない、というシンプルぶり。もちろんそれだけで酔わせられるのは、質が高いから。シンガーの質が高くて、音の質が高いから。

b0069365_14102021.jpgそして7年のブランクを待ちに待っていた70%シスター、20%ブラザーのオーディエンスは、Maxwellの一挙手一投足に熱狂&絶叫。これまた貴重な経験でした。

美しいファルセットは健在で、彼に似た声を探したと思われる女性コーラスとのハーモニーは、ほとんど何かの楽器かと思われるほど繊細で艶っぽく、

あ~~これ酒なしで聞くなんてもったいない・・・・・

とため息。

2度目のアンコールの、ほとんどアカペラの「Whenever, Whererver, Whatever」は涙ものでした。それから、Til the cops come knockin' がこういうふうに盛り上がる曲なのかという新鮮な驚き・・・・。

とにもかくにも、酔いしれました。男性シンガーでここまで「美しい」という表現が似合う人はそう居ません。今後のツアー予定を貼っておきます。Sold outも出ているようです。


Oct 28 Oakland Paramount Theatre
Oct 29 Oakland Paramount Theatre
Oct 31 Las Vegas Pearl StubHub
Nov 1 Los Angeles Shrine Auditorium
Nov 3 San Diego House of Blues
Nov 6 Houston Verizon Theatre
Nov 7 Houston Verizon Theatre
Nov 8 Dallas Majestic Theatre
Nov 10 Birmingham BJCC Hall
Nov 11 Memphis Orpheum Theater
Nov 12 Atlanta Civic Center
Nov 14 Greensboro Coliseum Theatre
Nov 15 Richmond Landmark Theatre
Nov 17 Washington DC Constitution Hall
Nov 18 Washington DC Constitution Hall
Nov 19 Washington DC Constitution Hall
Nov 21 Philadephia Susquehanna Center
Nov 22 Baltimore Murphy Fine Arts
Center-Morgan State
Nov23 New York City United Palace Theater
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by kinky25 | 2008-10-31 13:37 | 音楽

Radiohead @ Outside Lands Music Festival, San Francisco

b0069365_13365889.jpg
レディオヘッドは、常軌を逸したバンドだ。

「次元が違う」という言葉があるけれど、地球(銀河系?)が三次元なら、レディオヘッドは四次元とか五次元で音楽をつくっている感じがする。

初めてライブを見るまでは、こんなに暗い音楽をつくっているのになぜこれほど人気があるのだろう、ととても不思議に思っていた。知る人ぞ知る、とか、通好みの、というくくりならば納得が行くのだが、レディオヘッドは一回のライブで数万人を動員してしまうスーパーバンド。王道を行くタイプの音楽じゃないのに、なぜロックの王道を歩んでいるのだろう?

でも初めてライブで見たとき、その謎は全部解けた。

レディオヘッドの磁場。

会場全体の次元が歪んでしまうほど、それほど強い磁場が、聴衆を金縛りにする。数千人だろうが数万人だろうが関係ない。あっという間に飲み込んでしまう。

この磁場は、他のミュージシャンではお目にかかったことがない。どんなにすごいバンドでも、この磁場は作り出せない。だから常軌を逸している、と思う。

レディオヘッドはライブバンドである。

この磁場は、ライブでないと伝わらない。




photo by iamdonte
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by kinky25 | 2008-08-26 13:35 | 音楽

Alicia Keys @ Arco Arena, Sacramento

アリーシャ・キーズを観てきました。

b0069365_7224517.jpg
うまく撮れていなくてイメージが伝わらないと思いますが、何がよかったって映像がかっこよかったです。

b0069365_7251815.jpg
彼女は、デビュー当時こそ「クラシックピアノの素養」を前面に打ち出して、新しい形のR&Bを志向しているイメージでしたが、ビッグネームになるにつれて、王道路線というか、悪く言えば売れ筋路線を歩んでいるふうでもあります。でも、生で見るとやっぱし美しいし、堂に入った「スター」なので、それが合ってるのかもしれません。

でも、バックの映像はかなり実験的というか、テクノっぽいというかサブリミナルというか。上の写真はクリムトの絵みたいでした。

b0069365_7363646.jpg











b0069365_7364879.jpgコンサバな楽曲とラディカルな映像がミスマッチのような気もするのですが、Aliciaはときどき隠れたロック魂を発揮します。Like you'll never see me という曲は、プリンスのPurple Rainの最後の部分をサンプリング(っていうか焼き直し?)しています。このPurple Rainの最後の部分、サイケでロックでお花畑でクレイジーなんだけど美しいという、まさに気違い天才音楽師・プリンスの真骨頂。これを使っちゃうあたり、姐さんあんたもそうかね???と思ってはいましたが、実際ライブでやったバージョンは、思いっきりPurple Rainでした。

もう少し年をとって、一皮むけてからの彼女も楽しみです。
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by kinky25 | 2008-05-13 07:46 | 音楽

Outside Lands Music & Arts Festival

夏フェス in SF! 北CALの音楽好きのみなさん要チェックです。

8/22-24 @ San Francisco Golden Gate Park

Headliner: Radiohead, Tom Petty & The Heartbreakers, Jack Johnson

Beck Wilco Manu Chao Ben Harper & The Innocent Criminals Widespread Panic Primus Rodrigo y Gabriela Steve Winwood Café Tacvba
Broken Social Scene Regina Spektor Devendra Banhart Cold War Kids
Galactic’s Crescent City Soul Krewe Lyrics Born Andrew Bird Steel Pulse....

Radioheadが来ます。もう一度見たいバンドですが・・・・。3日通し券のみの発売($255)。悩ましい。
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by kinky25 | 2008-03-26 13:25 | 音楽

James Brown - Deep Southの子供

Thanksgivingに全く関係なく、CNNでやっていたJBの特集に見入ってしまいました。Godfather of soul、「ゲロッパ!」でおなじみのジェームス・ブラウンです。私はR&B好きですが、70年代以降しか聞かないので、一世代前のJBについて初めて詳しく知りました。

James Brown、1933年 サウス・カロライナ州生まれ。わずか4歳で母親に棄てられ、父親と極貧の生活を送る。しかしそれも長くは続かず、父は6歳のJBをつれて、歩いて(!)ジョージア州オーガスタまで行き、そこで「売春宿」をやっていたおばにJBを預けた。ただでさえ差別の激しいDeep Southという土地柄、当然荒んだ生活を送った彼は、綿つみや靴磨きの他に悪事に手を染め、7年生で学校をドロップアウト。16歳で矯正施設に入れられた。

JBはそこでゴスペルグループを結成し、グループはしだいに有名になって、近隣の刑務所などで演奏活動をするようになる。そしてJBはシンガーのBobby Birdに見初められ、彼のバックアップで刑期を終えた後、徐々にシンガーとしての頭角を現し始めた。

ところで、時はまさに激動の1950年~60年代。

b0069365_1657413.jpg彼が活動を始めた50年代は、黒人ミュージシャンはchitlin' circuitと呼ばれる場所でしか演奏できず、彼が出したR&Bチャートのヒットも、黒人社会に限定されたものでした。しかしその名がついにアメリカ全土にとどろいたのが、63年の伝説の名盤「Live at the Apollo」(←お葬式もアポロシアターで・・・)。64年にはローリング・ストーンズの前座(?)で客を熱狂させるパフォーマンスを披露、ミック・ジャガーを「こいつの後にステージにあがるのか・・・」と震え上がらせたと、いうぐらいの影響力を持つようになります。

そして60年代。いわゆる「公民権運動」の時代。JBは音楽だけでなく、黒人社会のアイコンとしても次第に頭角を現します。子供たちに「学校を辞めるな」というメッセージを送ったり、プレスリー風(?)のリーゼントのようだった頭をナチュラルなアフロヘアに戻したり(当時革命的なことです)、1968年には"Say It Loud - I'm Black and I'm Proud"という、「ブラック・パワー」ムーブメントのテーマソングともいえる曲を発表したり。ちなみに同68年のメキシコ五輪では、1位と3位になった黒人選手が、表彰台でこぶしをつきあげる「ブラック・パワー」のポーズをとり、全米から袋叩きに合いました。(よくぞ命があったと思います。)そんな68年。

そして、キング牧師暗殺・・・。その翌日にボストンでコンサートをする予定だったJBに、中止の圧力がかかります。黒人たちが暴徒化するのを恐れてのことでした。(すでに全米のあちこちで暴動が起こっていた)当時のボストン市長は、「開催しても中止にしても怒りに燃える黒人たちを抑えるのは難しい」と判断し、コンサートの入場者を減らす代わりに、ライブをテレビ中継する案を通しました。市長は自らライブの冒頭に姿を現し、ボストンの8万の黒人コミュニティに家でライブを見るよう呼びかけました。JBもステージからメッセージを送りました。そしてボストンの暴動は防がれた、と言われています。

彼の政治的重要性はますます高まったのか、このころからホワイトハウスに招待されたりするようになり、1972年には、ブラック・パワーのカリスマでありながら、なんと共和党・ニクソン大統領の再選を支持。セールスへの悪影響を心配したレコード会社は、支持をとりさげさせようとしますが、JBは「ニクソンは、私が「アメリカの宝だ」と言ったんだ。「アメリカの宝だから、特別だから、税金を払わなくてもいい、そう言ったんだ」と言って、支持を取り下げなかったそうです。

70年中期以降、Discoブームが巻き起こると、JBの音楽はしだいにすたれていき、彼の奇行ぶりにも拍車がかかるようになりました。後は私たちも知っている、ドラッグやDVで逮捕され、また復活、またご乱心、を繰り返す晩年のJBになっていきます。

彼は、Deep Southという特に差別の激しい場所で育ち、ゴミくずのように扱われる幼少期を過ごしたのだと思います。社会から迫害され、貧しく、両親の愛もなく、食べ物を探してゴミ箱を漁ったり、靴磨きの仕事で汚れた臭い服が「学校にふさわしくないから」と学校を追い出されたりする生活。「才能」、たったそれだけで社会のゴミためから這い上がり、名声と、影響力と、お金を手に入れたJB。後に続く黒人の子供たちが、自分のように粗末に扱われないために、道を踏み外さないために、彼が社会に送り続けたメッセージは、心からのの叫びだったのでしょう。それでも彼がニクソンを支持したのは、ニクソンが「君は特別だよ」と個人的に約束してくれたからではなかったのでしょうか。「差別され、粗末にされてきた子供」が、アメリカ大統領に「君は特別だよ」とささやかれる陶酔。

成功を手に入れ、大統領との親交を手に入れ、黒人社会のアイコンとしての地位も手に入れたJB。それでも彼の私生活は落ち着きませんでした。結婚、離婚を繰り返し、そのたびにDV騒動。彼は、母親に棄てられた心の傷から、「愛した女性が去ってしまう」ことに恐怖を覚え、暴力をふるったのだそうです。彼の選ぶ女性の多くが彼らを迫害してきた白人だったこととあわせて、彼の心の闇の深さを見る思いです。

公民権前の黒人の子供たちは、「白人に逆らうと殺されるから絶対歯向かうな」と教えられたと何かで読みました。そんな環境で、社会に粗末にされ、親に粗末にされた子供JBは、あれだけ成功して、金も名声も得ても、粗末にされた子供であった過去を克服することができなかったのかもしれません。

人間を、特に子供を「粗末に」することの罪深さを、そして、自分が大事に育ててもらったことへの感謝を、心に刻んだThanksgivingでした。
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by kinky25 | 2007-11-24 14:59 | 音楽


筆者: 環境庁勤務・一児の母。 生息地: カリフォルニア・サクラメント。  ブログについて: サイエンスとトレンドを融合した、わかりやすいエコ・温暖化・サステナビリティ。コメント歓迎です(除く営業)


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