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エコ・ハウスクリーニング。

Green is the new black(グリーン(エコ)が新しいトレンド)、なんだか本格化していますね。最近は何でもかんでもグリーンで、本当にびっくりします。何が言いたいかというと、最近家事がどうにもこうにもいやなんです。特に料理と掃除。でも、小さい子供がいるととにかく家が汚いのは困ると思って、初めてハウスクリーニングをお願いしました。Craigslistで探したら、エコ・ハウスクリーニングという広告を見つけたので、早速お願いしてみたのです。

この会社がエコと言っているのは、強い化学洗剤を使わないということです。洗剤って要注意です。楽にきれいに汚れが落ちる、という場合、とても強いクスリを使っていることが多々あります。洗剤は、どんなふうに使っても、最終的には水に溶けて下水道に流れていきます。
水は人間を含めた全ての生命の源ですから、水を汚さないことは、環境を守り、最終的に人間を助けることになります。逆に言うと、水を汚すと自分の首を絞めることになるので、気をつけたいものです。でも、「私にもできる温暖化対策」なんかで、あんまり水のことは言いませんよね。洗剤類(洗濯洗剤もね)とか節水は、家庭でできる大きなエコ活動だと思うんですけど。

で、おそうじですけど、2人がかりで3時間かけて家中をそうじしてくれました。お願いしてよかったです。のべ6時間、私が自分でやってたら、一生終わらなかったかも。それで$150弱だったので、すごくReasonableだと思います。でも最後、果たしてチップをあげるべきなのかわかりませんでした。真相はいかに????

それにしても最近つくづく思います。「家事」って、365日休みが一日もない。だって、食べなくていい日って一日もない。自分だけならまだしも、家族みんなが食べなくていい日って一日もないですもんね。昔のお母さんって、大家族でお惣菜も冷凍食品も何もなくて、すごかったと思いませんか?1年365日、朝昼晩、朝昼晩。あさひるばん、あさひるばん・・・・。考えるとちょっと呼吸困難におちいります。それがほぼ死ぬまで続くんですもんね。

昔に生まれていたらどうなっただろう。生き残っていられただろうか・・・。と、なぜかそんなことばっかり考えてしまう今日このごろ。

ちょっと疲れてるんだろうか。でも、今日はTrader Joe'sのエンチラーダで晩御飯にしてしまった。ハウスクリーニング呼んでデリ。疲れてるうちに入らないよね。
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by kinky25 | 2007-10-31 13:50 | カンキョウの話。

カーボン・フットプリントとバイオエタノール

書こう書こうと思いつつ後回しになってしまったカーボン・フットプリント。エコロジカル・フットプリントをはじめとして、フットプリントの話は何度か書いたし、カーボン・オフセット、カーボンニュートラルも書いたので、寄り道で話はすんだ感もありますが・・・・一応おさらいということで。

カーボン・フットプリントという言葉は、「モノがその一生で出すCO2(↓注参照)の量」または「人間が出すCO2の量」という意味で使われているようです。モノの場合は、材料の入手から生産、使用、使用済みまで、まさにその一生を追いかけてCO2の排出量を計算します。LCA(ライフサイクルアセスメント)という手法がよく使われます。一方人間の場合は、「1年間に排出する量」を、環境家計簿などで計算することが多いようです。私も時々書いていますが、先進国では年間一人あたり約7~10トンです。日本は低いほう、アメリカは高いほうでしたね。

さて、カーボン・フットプリントという言葉は、だいたい「カーボン・オフセット」などの言葉とセットで使われます。「自分のカーボン・フットプリント(CO2排出量)がわかったら、さっそくそれを減らす活動を始めてみましょう」というわけです。CO2を減らす試みにはいろいろなものがあります。家電を節電型にしよう。電球を替えよう。木を植えよう。バイオエタノールで車を走らせよう。エコバッグを使おう。あちこちでもっといろいろな提案を目にしているかもしれませんね。では、これらはどれぐらい効果的なのでしょう。

バイオエタノールを例にとってみましょう。バイオエタノールは日本ではあまり普及していませんが、アメリカはブラジルに次ぐバイオエタノール先進国なので、昨日も書いたとおり農家がどんどんトウモロコシ栽培に切り替え始めていて、穀物の値段がじわじわ上がり始めたりしています。バイオエタノールは、「カーボン・ニュートラル」と言わています。カーボン・ニュートラルというのは、CO2排出量がプラマイゼロということです。なぜかというと、バイオエタノールが排ガスとして出すCO2は、トウモロコシが成長過程で光合成吸収したCO2だから。
b0069365_150271.jpg

この特性のため、バイオエタノールの排ガスから出るCO2は、「温暖化に貢献するCO2」としてカウントしなくてもいい、と国際間で決められていたりします。ただ、いくら「カーボン・ニュートラル」とはいえ、生産、製造過程ではエネルギーを使わないといけないのでCO2を排出します。実際、製造過程でのCO2排出量は、軽油などよりもはるかに多いようです。

さらに最近は、「バイオエタノールの排ガスに含まれる煤塵はガソリンよりも人体に危険がある」とする主張も出てきています。また、他の作物の値段があがる、という影響も今後は無視できない問題になると思います。じゃあ結論としては、バイオエタノールはメリットがあるのかないのか?なんだかややこしくなってきました。

このややこしさ加減、環境問題の本質をついていると思います。

ややこしくて訳がわからなくなってきたら、こういう風に考えてみてください。

エネルギーにしろなんにしろ、「便利なもの」は何かしら地球環境を犠牲にしている。その犠牲やひずみが、今「温暖化」や「生態系破壊」などの形で現れ始めている。

そのひずみを正すのに、「便利なもの」を「便利なもの」で置き換ようとすればどうなるか?

石油をバイオエタノールに置き換えるのは、「便利なもの」を「便利なもの」で置き換える試みです。つまり、「便利なもの」の形や質や程度を換えて、地球環境に対する負荷を減らそうということです。でも、バイオエタノールとてやっぱり「便利なもの」に変わりはないので、ここのひずみを訂正すれば、別のところにひずみが出る、という感じです。

んんん。じゃあどうすりゃいいの?

迷ったら、「便利」を捨てればいいのです。温暖化を止めるのに一番効果のあるのは、「○○する」ことではありません。「○○しない」ことです。

普通の車よりプリウスがいいかもしれないけど、車を持たないほうがずっといい。
ガソリンよりバイオエタノールがいいかもしれないけど、車に乗らないほうがずっといい。

言うは簡単ですが、実行するのは難しい。でも、これが世界が直面している現実です。
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by kinky25 | 2007-10-30 14:54 | カンキョウの話。

全米四千万のマイクロブリュワリーファンの皆様。

b0069365_13335752.jpg四千万人っていうのはウソです。時々ご紹介している、アメリカのMicrobrewery。小規模ながらこだわりの手作りビールを生産していてで、私の大好きなおいしいAleをつくっているところがたくさんあります。バドやミラーのような大会社が席巻していたアメリカのビール市場に風穴をあけ、急成長してきました。



ところが・・・・。彼らが近々ビールの値上げを余儀なくされそうだ、というのです。原因は、
① 石油とアルミニウムの値上がり(びん、缶のコストへの直接的な影響)
② 小麦農家が、バイオエタノール景気になびいてトウモロコシ生産に転じ始めていること
③ ホップの世界的な凶作

環境問題、特に温暖化と食糧問題の関係については私も時々とりあげてきました。実際、マヨネーズ、パスタにはじまり、スタバのコーヒーまで、身近なところで値上げが始まっているので、「今度はビールか・・・。」という感じでしょうか。(値上がりのシナリオもほとんど同じです)

ひたひたと、食べ物の値段が高騰してきています。今回のビールの場合、状況は一過性なのでしょうか、それとも今後も続くものなのでしょうか。検証してみます。
① 石油とアルミ ・・・ 石油は、枯渇の問題と温暖化対策があいまって、もう値段は下がることはないでしょう。アルミも金属だから枯渇資源ではありますが、他の金属よりも埋蔵量は多いほうです。ただし金属は精製するのに莫大なエネルギーを使うので、石油が高騰すれば製造コストがあがり、値段に転嫁されるでしょう。
② 小麦農家のバイオエタノール原料への転進 ・・・ 忘れてはならないのは、「地球上の耕作できる土地」は限られている、ということです。石油を減らしてバイオエタノールを使おう!と言うのはいいのですが、そのバイオエタノール、何を犠牲にしてつくるのでしょう。現在の一連の流れが示しているのは、「ほかの作物を犠牲にしてバイオエタノール」、という現象です。耕作できる土地を増やすことができない以上、土地の取り合いは続き、値段が下がることはないでしょう。
③ホップ ・・・ ホップに限らず、旱魃、洪水、天候不順は、もはや世界の農業政策が組み込んでおかなければならないリスクになりつつあると思います。ホップでなければ他の何かが、常に凶作の被害に合っている、と考えたほうがいいかもしれません。

この記事(Sacramento Bee 10/27) によれば、ビール(約350ml)6本パックは、10ドルに近い値段になっていくのではないかということです。ちなみに現在は、$6.99~$8.99ぐらいです。消費者としては、10ドルは相当厳しい値段です。でも、大会社と違って、Microbreweryは農作物高騰のリスクをうまくヘッジできないので、高騰による打撃を受けやすく、場合によってはがつんと値上げせざるを得ない時期がまもなく来るかも、ということです。

ビール党のみなさん、どうしましょうかね。
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by kinky25 | 2007-10-29 13:24 | カンキョウの話。

Cranberry beans / Borlotti

Black eyed peasで生の豆のおいしさに開眼してから、生の豆を見るとつい買ってしまうくせがついたのですが、これははじめてみました。

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cranberry beans。名前もかわいければ見た目もかわいいです。大粒でむきやすく、甘くてまったりしてます。皮がけっこうしっかり噛み応えあるのですが、煮豆にしてもおいしいかもしれないと思いました。おいしくて使いやすいお豆です。残念ながら、この赤い模様は、火を通すと消えてしまいました。なのでできあがりは大きなPinto beansのようです。(味も同じ系)

ちなみに、イタリアでよく食べられるBorlottiというお豆と同じで、実はBorlottiとしてイタリアで食べられている豆の多くが、アメリカから輸出されたCranberry beansだそうです。
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by kinky25 | 2007-10-29 02:18 | アメリカの野菜

南カリフォルニアの山火事・最終章 - fire ecology Part3 -

昨日は、森のfire regimeと、そのサイクルを狂わせた要因の一つ、fire suppressionのことを書きました。山火事を治めようとする努力が、皮肉にも次の火事で燃えるであろうfuelを増やしてしまっている、というお話でした。

b0069365_14172068.jpgさて、南カリフォルニア限定の話に移りましょう。ニュースではもっぱら、高くしげった針葉樹がぼうぼうと燃え盛る映像ばかりが映し出されますが、実際は、この地域の山火事で焼失する面積のほどんどが、chaparral(やぶや茂み)などのshrubland(低木林)であるそうです。

では、他の地域と同じように、ここ南カリフォルニアでの低木林でもfire suppressionが原因で火事がひどくなっているのでしょうか。chaparralは、針葉樹林などに比べて研究データが少ないために、専門家たちの間でも大論争になっているようです。ちなみに、南カリフォルニアの場合は、サンタバーバラ海峡の堆積土を掘って、火事で陸から運ばれてきた灰の層を何千年分とか調べているそうです。大変な労苦です。

研究データが少なく不明な点が多いのですが、一つだけはっきりしていることは、この地域の山火事は、他の地域と違い「Santa Ana」と呼ばれる季節風に大きな影響を受けていることです。この有名なSanta Anaは、秋から始まり、乾燥しきった風を時には時速5ー60マイルで山から吹きおろします。灼熱の夏が終わって、からからに乾いた土地に、からからの風。いかに火事がおこりやすい環境であるかは、想像に難くないと思います。

このSanta Anaのせいで、南カリフォルニアでは、他の地域に比べてfire suppressionがうまくいっていなかったはずである、という主張があります。どんなに防火・消火を心がけても、Santa Anaが吹いてしまえば火事を止めることはできず、したがって火事は今までと同じサイクルで起こってきた、と。そうなると、森に残るfuelの量もそんなに膨大になっているはずはありません。ちゃんと予定通り定期的に燃えてきたのですから。

ではなぜ、2003年の火事は近代史最悪の被害となったのでしょう。また、もしこの地域のfire regimeが以前と変わっていないとすれば、なぜこんなに「火事の被害が拡大している」印象を受けるのでしょう。

b0069365_1422253.jpg大きな要素の一つは、「人が森に近づきすぎた」ということです。カリフォルニアの人口は、約100年ぐらいで30倍にも増え、多くの宅地が、火事の危険が大きい生態系に隣接しています。なので、山火事から人間への距離は確実に縮まっています。さらに、人間が起こす山火事が増えます。そのうえ、火事のすぐそばに宅地があると、消火活動が困難になり、時間がかかることにもなります。

もう一つは、通常であれば効果を発揮するはずの、「若い木」バッファーがここでは機能しない、ということです。年寄りの木に比べて、若い木は燃えにくいので、計画的に若い木のゾーンを散らして配置することによって、延焼を拡大するのを止めることができると考えられていました。ところが、最近の南カリフォルニアの火事では、若い木もことごとく燃えてしまうそうです。それぐらい最近の山火事は火の勢いが激しいということです。

Chaparralの低木林は、自然の森と造成地(宅地など)のinterface(中間)に位置しています。そして、火事からの立ち直りが早いそうです。なので、火事がおこった後も、「しばらくは火事にならないだろう」と安穏としてはおられないということです。しかも、住宅地に隣接するChaparralの90%以上は、現在あおあおと茂っている状態なので、いつ火事が起こるかもしれません。「人間社会へのダメージ・リスク」は間違いなく増えているといえます。

さらに、温暖化の特徴である、春先の降雨量が増える(植物がより成長する→fuelが増える)、気温が高くなる、旱魃が増える(火事が起こりやすくなる)といった気候条件の変化も、火事が頻繁になったり、大規模になったりする要因になるかもしれません。気候の変化は、Santa Anaの質(発生時期、大きさ、速さなど)にも影響を与えるでしょう。

すごく長くなってしまいました。無理やりまとめます。
① 南カリフォルニアの山火事が、これまでのfire regimeのサイクルを逸脱しているかどうかはわからない。
② にもかかわらず、少なくとも「人間社会に与えるダメージ」は明らかに増大している。
③ 今後も山火事は常につきまとう問題である。そのリスクが減ることはない。

これをふまえてどうするべきか。素人の私には何も言えません。たくさんの専門家が、効果的なfire managementについて研究していらっしゃいます。ただ、素人として一つだけ言いたいのは、「山火事のリスクの高い地域に、これ以上宅地を造成しないで欲しい」ということです。開発許可をおろすとき、洪水や浸水が起こりやすい土地かどうかは、100 year flood eventsといってちゃんとチェックするようになっているのに、なぜ山火事ではしないのでしょう。必ずそこにある危機なのに。みんなが住みたい南カリフォルニア、もっともっと開発したいのはわかります。でも、山火事のリスクはあまりにもあまりにも、大きすぎます。


photo source: http://interwork.sdsu.edu/fire/resources/images/493_Rancho_Pen_Fire_canyon_II.jpg
http://nature.berkeley.edu/moritzlab/docs/Keeley_etal_2004.pdf

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by kinky25 | 2007-10-28 13:38 | カンキョウの話。

南カリフォルニアの山火事は昔により頻繁になったのか? - fire ecology Part2 -

昨日は、「西海岸の森は、数十年に一回の山火事を前提に構成されていて、山火事を経ながら健康や均衡を保っている」ということを書きました。この、生態系と山火事の関係の総合的なパターン(火事のタイプや規模、頻度、森の焼失面積や焼失度合いなど)のことを、fire regimeと言います。

ところで、南カリフォルニアでは2003年にも未曾有の大きな山火事がありました。まだ記憶に新しいと思います。それに、2003年から今起こっている山火事の間にも、もっと小さな規模で毎年のように火事のニュースがありました。これって、山火事が以前より頻繁に、大規模になっているということなのでしょうか?それともまだ、今までどおりのfire regimeの範疇なのでしょうか?今後はどうなるのでしょうか?

諸説があります。「増えているし、ひどくもなっている。」「いや、今までと同じである。想定の範囲内。」科学者たちが、喧々諤々研究と論争を繰り広げているところです。ではまず、「火事が頻繁に、大規模になっているとすれば、それは何が原因なのか?」についてみてみましょう。これにも諸説があります。例えばfire suppression。Land use。それから地球温暖化。

まず、fire suppression(消火、防火活動、計画的な野焼き)が次の火事を大規模にする、という意見について。私はEcologyのクラスで山火事のことを知るまでは、「火事=ダメージ=一刻も早い消火が必要」と思い込んでいましたので、「消火が火事の原因になる」という可能性については考えてもみませんでした。
もちろん、「火事=ダメージ」という方程式は、人間社会にとっては100%Trueです。でも昨日書いたように、山には定期的な火事が必要。なんとニーズが完全に逆転しています。これが、「消火活動が次の火事のリスクを高めてしまう」、というねじれ現象をうみだしてしまうのです。

b0069365_1562586.jpgそもそも「森は火事を必要としている」ということは、150年ほど前、開拓時代にヨーロッパ人が西海岸にやってきたころには誰も知らなかったし、彼らは自分たちの身を守るために、切り開いた森から火事を減らさなければなりませんでした。一番手っ取り早く効率的だったのが、森をGrassland(草原)に変えて牧畜をすることでした。(単位面積当たりにあるfuel(燃えやすいもの)の量を考えたら、草原のほうが火事になりにくく、火事の規模も小さい、ということが想像できると思います)こうして、多くの森が草原になりました。そして森にはfuel (燃えやすいもの)が予定以上に残りました。

また、いったん起こった山火事に対しては、「消火活動」が行われるようになりました。消火活動は、「数十年に一回の山火事」が燃やそうとしていた範囲が全部燃やし尽くされる前に火を消し止めてしまうので、予定より多くのfuelが、次回の火事に繰り越されることになりました。

まとめると、消火・防火活動は、図らずも森の中にあるfuelの量を増やしてしまう。それが、次に起こる火事の規模をよりカタストロフィックにしてしまうという、ということになります。

ここまでだと、「じゃあ消火・防火はしちゃいけないのか?」と思われてしまいそうですが、そうではありません。

次に続きます。

Photo source: http://forestfire.nau.edu/grazing.htm
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by kinky25 | 2007-10-27 14:08 | カンキョウの話。

なぜ南カリフォルニアに山火事は起こるのか? -fire ecology Part 1-

ニュースはまだまだ南カリフォルニアのWildfireで持ちきりです。だいぶ鎮火の方向に向いてきたとはいえ、まだまだ猛威をふるっているところもあるということで心配は続きます。多くの方が家を失い、まだ避難されているのですが、南カリフォルニアのWildfire(山火事)についてもっと知っていただきたいので、fire ecologyのことを少し書きます。多分長くなるので3回ぐらいにわけて。

今回の火事は放火も含まれるということですが、人間が火種を提供しなくても、西海岸の森では定期的に山火事が起こります。元来乾燥した場所ですから。場所、高度、気温、降雨量、木の種類などいろいろな要因が組み合わさって決まるfire interval(大規模な火事が起こる間隔)は、西海岸の生態系では数十年であることが多いようです。

西海岸の森々は、「数十年に一回、全てを焼き尽くすぐらいの大きな火事がある」ことを、何百万年分の経験から学び、システムにインプットしています。そして、気の遠くなるような年月をかけて、「どうしたらその火事から効率よく立ち直れるか」を試行錯誤の中で探してきました。それが現在の(人間が手を入れる前の)森や林の姿です。こういう火事のことをnatural disturbanceとい言い、生態系がそのdisturbanceからどれだけ効率よく立ち直れるか、という強さをresilienceと言います。

何百万年に及ぶ地球システムのQAは、山火事からプラス要因を引き出す技さえもあみだしました。実は、森や林にとっての山火事は、全部が焼き尽くされてゼロになる「ネガティブ要因」だけではないのです。森や林は、山火事から恩恵を受けているのです。全てが灰になるのに、メリットなんてあるの???と思われるかもしれませんが、これがあるのです。
例えば、空気中の窒素やリンが、火事によって土壌に取り込まれ、養分になる。地面に降り積もった灰で、地表の温度が上がる。木の病気や害虫が駆除される。ある意味年末の大掃除のようです。これらのおかげで、火事のあとの「再生」は、健康的かつ効率的に進みます。

また、生態系にいろいろな種類や状態があるように、山火事にもいろいろな種類があります。地面近くを這うように燃えるものもあれば、高い木々の枝を縫って燃えるものもある。当然、地面近くの火事が燃やすものと、高いところの火事が燃やす植物は違います。その妙なる組み合わせによって、火事は森をリニューアルすることもできるのです。例えば、大きく生い茂りすぎている木のおかげで、下に生えている草には日光も当たらないし水や養分も十分に回らない、などという状況は、この大きい木が燃えることによって変わります。

さらに、山火事のもう一つの大きなメリットは、「時々大きな火事が起きることによって、森の中の「燃えやすいもの」の量をコントロールできる」ということです。大きな火事がしばらく起きないと、木は生い茂り、地面は枯れ枝で埋まり、草が生え・・・・。燃えやすいもの(fuel)がいっぱいになってしまいます。この大量のfuelは、次に起こる火事をカタストロフィックな大火事にしてしまう可能性があります。定期的な山火事は、森の「燃えやすいもの」の量を、適量に保つ役割を果たしてきたというわけなのです。

b0069365_13475970.jpgここで終わると山火事を賛美しているように聞こえてしまいますが、それが結論ではありません。
Stay tuned! 次に続きます。

火事に最適化してしまった植物もいます!ワタシ、火事が起きないと次の世代を生み出せないんです!


Source: http://www.cnr.uidaho.edu/range456/hot-topics/fire-ecol.htm
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by kinky25 | 2007-10-26 13:32 | カンキョウの話。

CO2出しすぎで社員に罰金?

ここまで過激な試みは始めてみました。UKに本社があるWSP Environmentという環境コンサルの会社が、「職場以外」での社員のカーボン排出量をトラックして、年間6トンを越えた社員から1キロあたり5pの罰金を徴収し始めたとのこと!(今のところイギリスのみの試みのようです)

b0069365_6454287.jpgよくよく読んだら、これは強制ではなく、PACT (Personal Allowance Carbon Tracking)というプログラムに参加している社員のみのようです。それでも、「罰金」(fine)という考え方が非常にアグレッシブです。「自分に罰を課す」のだから、本当の意味でのやる気を問われますよね。私はこういう縛りがあると燃えるタイプなので、職場にこのプログラムがあったら参加したいなあ。

ちなみに、先進国では排出量が7-10トンぐらいの間だと思います。アメリカは10トンぐらいなので、6トンを達成するには40%の削減です。これはかなりきびしいですな。やっぱりね・・・・。真剣にやるとなると、車がガンなんだよなぁ、アメリカはよ・・・・。頼むから、街をぎゅーっと圧縮して、歩いていろんなところにいけるようにしてほしい・・・・・。

それで思い出したけど、唯一家から歩いて買い物に行けた(つーか片道30分かかるけど)コリアンマーケットが、突然つぶれてしまいました。ショック。そのため現在では、徒歩1時間以内にたどりつけるスーパーは、ただの1軒もございません!どんなとこや~。九州の片田舎にある私の実家よりひどいです。
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by kinky25 | 2007-10-25 06:02 | カンキョウの話。

California Native plants

南カリフォルニアでまた大きな山火事が起こっています。なんと53万世帯が非難しているというので心配しています。南カリフォルニアにお住まいのみなさんはいかがお過ごしでしょうか。今シーズンは記録的な降雨量の少なさだと聞きました。また、ジョージア州アトランタでは、旱魃と水不足。温暖化の足音がひたひたと聞こえてくるようです。

水、水、水です。

温暖化でこわいことの一つが、まさにこの水です。世界5,6位を争う経済ブロックにして世界の穀倉地帯、独立してもやっていけるぐらい強大なカリフォルニアの唯一のアキレス腱もこの「水」だと思っています。もともと砂漠ですからね。80%をコロラド川などから「輸入」している上、州内の最大の水源、シエラネバダの雪解け水が、温暖化の影響で激減すると言われています。

う~ん、どうなるのでしょう。

日本は多湿多雨だから、庭で毎日スプリンクラーを回すということはあまりないと思われるのですが、カリフォルニアはどこでもかしこでもスプリンクラーが回っています。全部足したらすごい量の水です。もしスプリンクラーを止めてしまったら、マカロニウエスタンの映画みたいな状況に戻るんでしょうね、多分。現在は、輸入した水を撒いて無理やりあおあおとした庭をつくっているわけで、ぶっちゃけ環境負荷がかなり高いと思われます。

・・・とロジカルに考えたわけではなく、何を植えても失敗した庭に、「不精で水をちゃんとやらない私にも育てられる植物」を探していたら、行き着いた先がNative plantsでした。ほとんどのカリフォルニアNative plantsは、根付くまである程度の水をあげたら、その後はほとんど水をやらなくても大丈夫なのだそうです。もちろん最近の水にまつわるニュースを見るたびに、特にカリフォルニアに住んでいる以上は節水に気をつけないと、と思っているので、一石二鳥なのです。

b0069365_14134577.jpgb0069365_14144662.jpg
















でも考えてみたら当たり前なんですよね。その土地に土着の植物が、その土地に一番適応しているわけだから、乾燥したカリフォルニア土着の植物は、乾燥した状態で十分生き延びれる種類なはずなのです。人間が「お世話」なんてしてさしあげなくても、その土地でちゃーんと自分の力で根を張れる植物たちなのです。

b0069365_14223148.jpg家の裏を鮭が帰ってくる川、American Riverが流れているので、除草剤なども一切使いません。(一軒の影響なんて小さいですけどね)水を最小限に、薬もなしで、というニーズには、Native plantガーデンが最適じゃない!と、悦に入っている今日このごろです。

こちらでは庭にGrassやGroundcoverをよく使います。草っちゃあ草なんですが、Grass、味があってすごく面白いです。かわいいものが苦手な私にはお花より合っているかも。
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by kinky25 | 2007-10-24 14:16 | カンキョウの話。

レイチェル・レイお勧めのパン焼き機?

Food networkというケーブルチャネルで人気番組を持っている、Racheal Rayという人がいます。日本でも知られているのでしょうか。実は近所の高校生のFundraisingに協力するために、彼女の雑誌を一年間講読しました。

ちなみにこのFundraising、参加している高校生たちが近所を回って年間購読契約を売るんですけど、その購読料がたった20ドルぐらい。雑誌は毎月郵送です。1年で12冊来るとして、1冊2ドルしないってことですよね。この金額でどうやって高校生たちにお金が入って出版社にも利益が出るんでしょう。郵送料は?不思議な仕組みです。

話がそれました。そのRacheal Rayさんの雑誌、実はあまりお世話になりませんでしたが、今月のこれに心ひかれました・・・・。パン焼き機特集。

b0069365_13131454.jpg4台載っていて、2台が日本のメーカーです。パナソニックと象印。「パン焼き機」は日本が進んでいるんですか?

パン焼き機に興味を持ったのは、パンが焼きたいからではありません。「焼きたてのパンが食べたい」からであります。この2つは、似て非なるものでございます。

その昔、パリにちょっとだけ住みました。朝、近所のパン屋さんに焼きたてのバゲットを買いに行くのが楽しみでした。古いアパートで、7階ぐらいで階段しかなかったのですが、焼きたてのバゲット食べたさに上り下りしましたとも。帰り道、まだあったかいバゲットをかじりながら帰るのが幸せでした。

あれ、アメリカではできません。アメリカにお住まいのみなさん、へんだと思いませんでしたか?市や郡のPlanningの規制で、「住宅地」に「商業施設」を建てちゃいけないことになっている地域が多いからそういうことになるんだと思います。住宅地には住宅しか建てちゃいけないのです。

私の感覚では、駅前商店街にある店は、全部地域密着じゃないとダメです。「パン屋」もそう。朝眉もない状態で、サンダルつっかけて焼きたてを歩いて買いにいけるところにあってこそパン屋です。(え?眉ぐらい書いたほうがいい?)

世界の1/4のCO2を出しているアメリカの、その40%ぐらいは交通機関からです。街をムダに広くつくって、住宅地には住宅しか建てちゃいけないなんてへんな決まりをつくって(防犯上の理由なんでしょうかね?)、焼きたてのパンを歩いて買いに行くこともできないってなんかおかしい。その場合もちろん車でスーパーなどに行ってパンを買いますが、そこで焼いてなければ焼き上がりの時間なんてあるのかな。運んでる間にさめちゃいそう。

地産地消なんて最近言いますが、パン焼きも地産地消がいいです。書いてたらむしょうに食べたくなってきました、焼きたてのバゲット。ん~・・・・。
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by kinky25 | 2007-10-22 13:18 | アメリカ/カリフォルニア


筆者: 環境庁勤務・一児の母。 生息地: カリフォルニア・サクラメント。  ブログについて: サイエンスとトレンドを融合した、わかりやすいエコ・温暖化・サステナビリティ。コメント歓迎です(除く営業)


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