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専業主婦という「職業」を生んだ日本経済

今の職場で働くようになって、相当幅広い業界(行政、政治家、産業界、アカデミアなどなど)の人、それもそれぞれの分野で成功している人に接することが増えました。それで驚くのは、もはや「女性の社会進出」なんて言葉では済まされないぐらいにどこにもかしこにも女性が出世しているということ。私の同僚からして3対7ぐらいで女性が多いし、セメント、石油、電気なんていう男っぽいイメージの業界でさえも、必ず要職にたくさんの女性がいます。

b0069365_13333864.jpgその一方で、「専業主婦」という考え方はあまりないように思います。「Housewife」という言葉はありますが、無職で育児をしたりしている状態は、「She's not working right now.」、つまり「今は仕事をしていない」というふうに表現されます。一生仕事をしない、という前提がない、ともいえます。

一方、日本では専業主婦はある意味女性の職業の選択肢の一つです。「永久就職」なんて言葉もありましたし。

この違い、とても興味深いです。

最大の驚きは、専業主婦が女性の職業の一つになりえた日本社会、日本経済では、「一回した約束はずっと守るものだ」という価値観が何の迷いもなく信じられていた、ということ。女性が専業主婦という選択をするためには、「結婚という約束をしたのだから、夫がずっと私を食わせてくれるのだ」という安心感と、「雇用契約という約束をしたのだから、夫の会社はずっと夫を雇ってくれるのだ」という安心感が両方必要です。1人分の稼ぎで2人、3人、4人を何十年と養い続けるという、壮大な、そして逃げ場のない約束を、誰も彼もができていたということは、(冷静に考えるとすごいこと!)戦後の日本には両方の安心感がそろっていたということです。

それに引き換えアメリカ。もちろん離婚率も高いし、その後訴訟で泥沼の親権争い、というのも日常茶飯事です。さらに、会社は簡単にレイオフをするし、日本ではあり得ない公務員のレイオフもそんなに珍しいことではありません。結婚という約束も、雇用契約という約束も、当てにはならない。女性にとって専業主婦を選ぶにはリスクが高すぎる社会なのです。逆に、男性にとって無職の女性を選ぶことは、経済的な負担が増えるのでリスキーと言えるかも。

これ、世界的に見てどっちが普通かと言えば、今までの日本みたいに「二つの安心」が当たり前のこととして揃っていた社会の方が奇跡に近い気がします。男女間の関係では我慢し合い、添い遂げるということを実行でき、さらに経済がこんなにも長い間、途切れることなく安定して成長を続けてきて、会社が雇った人間を退職するまで雇い続けることが当たり前だった国、なんて、もしかして他にないのでは。

一回した約束をずっと守る、という日本人独特の美徳は、社会にも経済にも日本人の日本人たるゆえんを作り上げてきたものの一つのように思われます。

もちろん、マイナスの要素もあって、一回した約束を破れないがために、まんねりが関係を停滞させてしまう、ということも多いでしょう、男女関係であれ雇用関係であれ。

いずれにせよ、この「約束」という概念が急速に音を立てて崩れ始めている今、いろんな意味で本当の過渡期かもしれません、日本という国。
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by kinky25 | 2009-05-26 13:18 | アメリカ/カリフォルニア

清潔・無菌という呪縛

「発言小町」というサイトがあります。共感することより、「え~そうくるか!」と驚くことのほうが多いのですが、日本語で井戸端会議をする機会がないので、けっこう覗いております。そこで驚かされることの一つに、いろいろな方向に進化している清潔志向、無菌信仰があります。「手作りのものが気持ち悪くて食べられないからこっそり捨てています」「洗濯物を毎日洗わないなんて信じられない。周りに迷惑です」「汚されるから新築の家に人(というか子供)を呼びたくないです」といった意見が、かなりの共感を得ているようなのです。

b0069365_12121765.jpgもちろん人のことなのでそれをとやかくいうつもりはありません。でも、どうしても気になるのが、来るべき時代とのギャップです。

このまま温暖化やその他の環境破壊が進んだら、10年後、20年後、30年後、と生活環境はどんどん悪化すると思われます。台風や大雨が増えて、誰しも人生で1回ぐらいは避難生活を経験するような時代になるかもしれない。水不足の状態ももっと頻繁に起きるようになって、毎日洗濯もお風呂も、なんて贅沢はできなくなるかもしれない。そもそも日本の国力が弱って、生活水準は今をピークに下がり続けるのかもしれない。食糧事情にも明るい見通しはないと思います。

ピーク・オイルという考え方があります。石油の産出は、ピークを境にどんどん目減りしていくわけで、その「ピーク」がいつなのか、実は今がピークなのかも、ということを考慮に入れて社会設計をしなければいけない、という考え方です。
もしかしたら同じように、清潔さ、豊かさにもピークがあって、実は今がピークなのかもしれません。これからは下降・悪化する一方。

伝染病も増えるでしょう。(インフルエンザだけ見ても明らかです)予防、治療が進んでも、肝心の人間の免疫力が低下していたら、元も子もないのでは。

そういう時代に突入していこうとする今、清潔・無菌を極めようとすることには大きなリスクが伴うと思えてしかたないのです。

もちろん、私の予想はペシミスティックすぎるかもしれない。これから環境がどれだけ悪化するかなんて、正確なところは誰にもわかりません。今までに経験したことがないのですから。でも、もし不幸にして最悪の予想が当たったとしたら、これからの時代、必要なのは清潔・無菌ではなくて、サバイバル能力・体力・免疫力だと思うのです。

とすると、どうも逆行しているような。

せいぜい自分の予測が間違いであることを願って、将来への明るい材料を探してみるのですが、なかなか見つかりません。せめて子供はサバイバル方向で育てたいと思っています・・・・。
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by kinky25 | 2009-05-20 12:06 | カンキョウの話。

アメリカの食卓: ちょっと残ったアレを・・・・

定期的に買うのだが、用途を選ぶのでなかなか全部使い切れない・・・・という食品がけっこうあります。もちろん一番小さいサイズを買うのですが、それでも家族の人数が少ないと、冷蔵庫のこやしになってそのままダメにしてしまうときがあって反省。

もったいないおばけが出るので、違う用途での利用法を模索しております。

b0069365_1355192.jpg例えばHummus。これは、中近東寄りの地中海地方(ギリシャ~イスラエル)あたりでよく食べられているのだと思います。お豆でできたスプレッドで、ピタパンなどにつけて食べます。そちらの地方の料理では、毎食といっていいほど出てくるもののようですが、たまにしか食べない場合、小さいパックでも使いきれません。
今日は、生トマトを使った冷製パスタに入れてみました。冷製の場合、にんにくを効かせるとおいしいと思いますが、このHummusはかなり濃いにんにく味だったので、にんにくそのものを使うかわりに、大さじ3ほど入れてみました。おいしかったです。火を通すとだめなような気もします(試してませんが)ので、オリーブオイルとの親和性も高いHummusは冷製パスタがいいのでは。

そしてサルサ。これも我が家では微妙に余る食品。私は炊き込みご飯にしてます。炊き込みご飯と言っても、日本風のではなくて、Long grainで炊く、スパニッシュライス風。これだと色も明るくなるので、付け合せにいいです。あまり辛くないサルサがよろしいのでは。

さすがに毎日日本食というわけにいかないので、各国のメニューを渡り歩いておりますと、こうやってちょっとずつ余る食品が出て来るので困るんです。ローテーションを考えると、なるべく国境を越えて再利用したいのですが、なかなか難しい。皆さん、なにかいい案があったら教えてください。
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by kinky25 | 2009-05-17 13:06 | アメリカ/カリフォルニア

また山火事・・・サンタバーバラ

サンタバーバラといえば私が2年間暮らした地でありますが、そこでまた大規模な山火事。

南カリフォルニアの山火事の記事は、去年あたりもけっこう書いたのですが、まさに「また・・・」です。

b0069365_1372141.jpg今回は、五月初旬にもかかわらず気温が38度超までに達したほどの熱波と風で火が瞬く間に広がったそうです。サンタバーバラと言えば、爽やかな気候で有名。5月に38度というのはあり得ない高温です。

砂漠気候の土地は、温暖化が早く進むというのがセオリーですが、ここまであからさまだと恐ろしくなります。サンタバーバラにまだ住んでいる友人は、サンタバーバラの前にはロス郊外に住んでいて、合計の約5~6年の間になんと今回を含めて3回も山火事が家の近くまで迫り、避難する羽目に。

カリフォルニアといえば、旱魃・水不足も深刻化しています。カリフォルニアの人口と自然を支える水系も、大きな岐路に立たされています(興味のある方は"Sacramento-San Joaquin Delta"などで検索してみてください)。どんどんどんどん乾燥していけば、さらに山火事のリスクはあがるでしょう。

カリフォルニア経済を支える中部の農業地帯では、水不足のせいで農業従事者の失業率が深刻な状態。カリフォルニア全土の失業率は10%を超えています。

水さえあれば地上の楽園・カリフォルニア。でも温暖化がこんなスピードで進んだらいったいどうなってしまうのか。今の時点で自分のこととして心配している人は少ないと思いますが、連邦エネルギー庁長官のSteven Chu氏も警告をしている通り(彼の読みはかなりペシミスティックで、カリフォルニアでは早晩農業ができないぐらい旱魃が慢性化するとの見解)、早晩かなり危険な状態になるような気がしてなりません。

写真: 火事や熱波がなければこんなに爽やかなサンタバーバラ。この山並みのあたりが燃えたと思われる。
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by kinky25 | 2009-05-12 13:10 | カンキョウの話。

冥福を祈ります・・・??

ぐじぐじと清志郎関連のニュースを読んでいますが、気になるのが多用されている「冥福」という言葉です。「冥福を祈る」とはどういう意味なのか、立ち止まって考えてみることなんてないと思いますが、実際のところどういう意味なのでしょう。

「冥福を祈る」とは、元来「冥土での幸福を祈る」という意味です。では冥土、冥界とはどんなところでしょう?わざわざ「福」を祈らないといけないぐらいだから、あまり居心地よさそうな場所とは思えません。誰かがなくなったときに、「○○さんは冥土に行った」とは言わないことからも、どんなところかは想像がつきます。

冥福を祈る、というのは、亡くなった人が「冥土」に行くことを前提としての言葉です。

さて、亡くなった人は本当に冥土に行くのでしょうか。きょうび冠婚葬祭の日本語には、キリスト教の概念が多く使われます。キリスト教的には、普通は亡くなった方は「天国に行った」と言います。天国は「冥土」とは違って天国なのですから、ことさら冥福を祈る必要はないはずです。日本の仏教のいくつかの宗派では、死者は極楽浄土に行く、とされます。これもまた冥土とは違って、わざわざ福を祈るまでもない場所です。

そういう場所に行ったと考えるのであれば、冥福は祈らなくてもいい。逆に、冥福を祈ることによって、「冥土にいった」と決めてしまうことにもなる、と。

「思ってた意味と違う!」という方が多いのではないでしょうか。まあ豆知識ということで。
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by kinky25 | 2009-05-06 14:04

雨上がりの夜空に・・・・

カリフォルニアは基本的に砂漠気候なので雨がとても少ないはずなのに、この週末は雨・雨・雨。5月のまとまった雨は百年ぶりぐらいらしいです。これも温暖化の影響でしょうか。春の雨は北カリフォルニアにはいいニュースではありません。カリフォルニアの水源であるSierra山脈の雪を、春の雨は溶かしてしまうからです。旱魃3年目(だったと思います)のカリフォルニアで、水不足は温暖化が進むとシャレにならない状況になると思います。

b0069365_7221298.jpgなんて思っていたら、「忌野清志郎・死去」のニュースが・・・・。涙雨だったのでしょうか。

長さん(いかりや長介)が亡くなったときも思いましたが、小さいころ、死が自分にとって身近でないころに「アイコン」として活躍していた人が亡くなるというのは、本当にがっくり来ます。テレビの中や音楽の中で、軽々と現実を飛び越えてみせ、まるで別次元の世界に住んでいるようだった人たちが、自分たちと同じように、むしろこんなふうに早すぎる死を迎えることだってある。どんな人にも死は平等に訪れる、ということを改めてつきつけられているようで、そして、自分自身が「生」より「死」に近づいている、と教えられているようで、どうにも受け入れたくない気がします。

忌野清志郎、本当にオリジナルな存在だったと思います。あんな日本語をしゃべり、歌える人は他に誰もいなかったし、あんなに軽々と楽しそうに「反骨」を貫いた人もいなかった。どういう経緯か全く覚えていませんが、12,3歳のころ始めて買ったRCの「カセット」が、「僕の好きな先生」を含むフォーク時代のもので、あまりの清志郎ワールドに子供ながらに度肝を抜かれたのを覚えています。

「雨上がりの夜空に」「スロー・バラード」「トランジスタ・ラジオ」どれもこれもリアルタイムでキャッチしたわけではないのに、青春の1ページに刻まれています。

合掌。
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by kinky25 | 2009-05-04 07:18


筆者: 環境庁勤務・一児の母。 生息地: カリフォルニア・サクラメント。  ブログについて: サイエンスとトレンドを融合した、わかりやすいエコ・温暖化・サステナビリティ。コメント歓迎です(除く営業)


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