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勝負は今。

先日のIPCCのレポート、日本語の記事がでたときに紹介しておこうと思います。これは産経Izaからの抜粋。それにしても、国際機関は常に何種類かの言語で文書を出すんですけど、中国語はほぼ常にあって、時には韓国語もあるのですが、日本語はないですよね。残念。

「何年までに何度気温が上がる」という、本当は一番大事な所は、敢えて載せませんでした。2度とか3度と言われてもぴんとこないかな、と思って。それよりも、その予測を元に専門家たちが書いたシナリオを読んで下さい。

"地球温暖化の被害を小さくできるかどうかには「今後20-30年間の排出削減努力と、それに向けた投資が大きく影響する"

"温暖化の影響を小さくしようとすればするほど、温室効果ガスの排出を早い時期に減少に転じさせなければならない"

"対策には一定の費用がかかるが、温暖化が原因で生じる経済的な負担の方が大きくなる可能性が高い"

回りくどい言い方ですが、要約するとこうなります。

*今やりましょう。
*今やらないで後回しにすると、手遅れになります。
*お金も犠牲も払わないとだめです。(結局大きなつけを払うことになる)

・・・・かなり過激です。特に、今までIPCCやほかの温暖化研究機関は、「経済とともに歩む温暖化対策」とでも言えるような、「経済にダメージを与えない範囲でのとりくみ」(Best effort)を熱心に研究してきました。でも、ここに来ての結論は、

それじゃ間に合いません。

です。
# by kinky25 | 2007-11-21 00:08 | カンキョウの話。

中華鍋はすごい。

重い話が続いてしまいました。

どうやら少し疲れているみたいです。今週末はThanksgiving。私はまだ「有給」というものがつかないので所詮休みはないのよ・・・と思っていたら、実は今週末はなんと公休入れて4連休!温泉でもつかってのんびりしたいと思うのが、、、、遅すぎです。


最近初めて中華鍋を買いました。大きいし、重そうなので、今まで深い意味もなく避けてました。

中華鍋はすごい。_b0069365_1435080.jpg使ってみてびっくり!中華鍋って、あのでかさ、深さに意味があったんだ~!と。どう写真撮っていいかわかりませんでしたが(←)、お伝えしたかったのは、この深さ。

フライパンだと、ほとんど底でしか熱を吸収しないけど、中華鍋ってコンロから上に上がってくる熱を、この高くそそり立つ壁でもれなくキャッチするんですね。だからすごく熱効率がいい!例え同じ温度でも、中華の炒め物がおいしいわけだ。

今更かな?でも、目からウロコでした。

コンロの熱がほぼもれなく料理に使える→調理時間が短くてすむ→エネルギーの無駄が少ない、ということで、中華鍋には私が勝手にエコ大賞・フライパンの部を差し上げておきました。

さて、あの高い壁が熱々。・・・ということは。

これはやってみなければ。

本日、中華鍋でトンカツ、揚げました。

大成功。

私は油の後処理がいやなので(捨てたくない)、いつもDeep fryじゃなくてShallow fry。温度も中火ぐらいで、油は1-2センチぐらいしか入れません。この方式、けっこう無理もあるんですが、中華鍋で油をまわしかけるようにやったら、うまくできました。

柔らかく揚がりましたよ。しかも高い壁が油はねをけっこうガードしてくれて一石二鳥。

油もガス代も削減してくれる、中華鍋はすごいな。

さすが中国四千年。




中華鍋はすごい。_b0069365_14571080.jpg唐突ですが、タネから咲いたコスモスです。一株でたくさんの花を長くつけてくれます。

でも見てるとどうにもさびしく、かなしくなる花です。どうしてでしょう。

こんなにきれいなのに。
# by kinky25 | 2007-11-19 14:52 | Life/レシピ&small boy!

IPCC報告書-世界への最後通牒?-

先日ノーベル平和賞を受賞したIPCCの、温暖化に関する最新のレポートが先日発表になりました。厳しい内容になりました。「水」と「食糧」に重点をおいて、各地域の温暖化の影響を少しだけ(ほんとに少しだけです)抜粋してみたので、ぜひ読んで下さい。

IPCC報告書-世界への最後通牒?-_b0069365_15123561.jpgアジア
*2050年までに、中、南、東、東南アジアで、人間の活動に使える水の量が減る。特に大河川の流域でその傾向は顕著。
*東、南、東南アジアでは、水の循環のサイクルが変わり、主に洪水や旱魃による下痢性の伝染病による死亡率が上がる。


北アメリカ
*西海岸の山岳地帯では積雪が減り、冬の洪水が増え、夏の水量が減り、ただでさえ足りない水資源の争奪が激しくなる。
*現在南限の耕作地で作られている穀物は生産性に大きな影響を受ける。
*現在熱波が起こっている地域では、その激しさ、長さが増し、さらに健康被害がひどくなることが予想される。

オーストラリア・ニュージーランド
*2020年までに、グレートバリアリーフやクイーンズランドなど、豊かな生態系を誇る地域で生物多様性に甚大な被害が出る。
*2030年までに、南、東オーストラリア、ニュージーランド、ノースランドと東側地域で水不足が問題化する。
*2030年までに、農業、林業生産がほとんどの南、東オーストラリア地域と一部の東ニュージーランドで減少する。これは旱魃と火事が増えるせい。

ヨーロッパ
*南ヨーロッパの気候の変化に敏感な地域では、さらに水不足が起こったり、穀物の生産高に影響が出たりする。
*熱波による健康被害と、山火事の発生率が増える。

アフリカ
*2020年までに、750万から2億5千万人の人たちが水不足の影響を受ける可能性がある。
*2020年までに、雨水で農業をしている国では、収穫高が50%も現象する可能性がある。

ラテンアメリカ
*2050年までに、熱帯雨林がサバンナにとってかわられ始める。
*いくつかの主要穀物と家畜の生産性が減少する。
*人間が飲み水や農業、水力発電に使える水の量が大きく影響を受ける。

*****************
IPCCのような国際的権威のある団体は、よっぽど「ウラ」がとれていることでなければ断言しません。下手なことを書けば各方面から批判されたり、揚げ足をとられたりするからです。だから、これは「保守的な見積もり」ともいえます。保守的な見積もりが、これなんです。

今の豊かな生活が、どんなにもろく、どんなにあっけなく崩れ去ろうとしているか、ということが、少しでも伝わればと思います。

目を閉じて、自分の子供や子供たちが、数十年後(100年後とかではないんです!)に放り出されるかもしれない厳しい世界を想像してみてください。食べ物や水が十分になく(思い出してください、日本は食糧の60%を輸入しています)、熱波や伝染病に苦しみ、大きな洪水や台風におびえなければならない世界。彼らには何の罪もないのに。

私は、そんなところに子供たちを送り出したくありません。それなのに、一人の力はあまりにも小さいです。自分の非力さが情けない。いつもはなるべく楽しく、をポリシーに書いていますが、今回の報告書にはさすがにちょっと絶望的&感傷的な気分になっています。

もし、子供たちのために少しでも何かしたいと思ってくださったら、ぜひこの報告書を読んで下さい。今日本語版を探しています。



子供たちを守りたい。



テキスト出展:Summary for Policymakers of the Synthesis Report of the IPCC Fourth Assessment Report DRAFT COPY 16 NOVEMBER 2007 23:04 日本語訳は私がしていますので、原典を優先してください。
# by kinky25 | 2007-11-18 14:43 | カンキョウの話。

そしてガソリン・・・・。

最近食糧高騰の話ばっかりになっちゃっていますが、不景気ついでにガソリンの話を。

私は2004年にアメリカに上陸したのですが、その年は何度か1ガロン$1.99という幻の価格を見ました。1ガロンは3.7Lぐらいなので、なんとリッター50円ぐらいだったということでしょうか。それがあれよあれよと言う間に上がり、最近は1ガロン$3.5に届こうとしています。これで100円弱です。日本はリッター150円越えか、というところまで来ているみたいですね。

日本と比べるとアメリカはずいぶんガソリン安いんですが、街が無駄に広く、余計な距離を運転しないとどこにもたどりつかないため、かかる費用は同じぐらいになってきてる気がします。

そしてガソリン・・・・。_b0069365_152247.jpgところで、こないだSacramento Kingsの試合を見に行ったのですが、駐車場にはこんな車がいっぱいでした。やっぱりウォウォウ系の男子が多いので、こういうトラックが増えることになります。

あまり詳しくないですが、これがOakland Raiders(フットボールのチーム)になるともっとトラックだらけになるらしいです。で、試合の前にみんなその荷台でBBQをやるそうで、それはTail Gate Partyと呼ばれてるとか。怖いので遠巻きに見ると思います、もしそこにいたとしても。

ガソリン代、彼らを直撃でしょうね。おもしろいサイト(Fuel Economy)を見つけました。エネルギー省がつくっているサイトで、ほとんどのメーカーの車の燃費やカーボン・フットプリントについてのデータを見ることができます。

そしてガソリン・・・・。_b0069365_14435624.jpg25マイル走るのにかかる値段を試算してみました。GMC Sierra(上記のでっけートラック)とインテグラ。それぞれ1ガロン2ドルだった場合と、3.5ドルで。25マイルというと、片道20~30分ぐらいかけて車通勤している人は、往復でそれぐらい走ってると思います。これによればトラック通勤すると、それだけで一日700円ぐらいのガソリン代がかかるということになります。

それもそうだけど、普通の車もけっこうガソリン代かかるようになったんだなあ。

環境経済学(Environmental Economics)の基本的なコンセプトに、Internalizing externalityというのがあります。ガソリンの例で言えば、排気ガスは空気を汚すし、CO2も出す。でも、そういうマイナス要因に対応する費用を組み入れる仕組みが、普通の経済にはありません。「きれいな空気」はタダと思われてきたからです。でもその空気が汚れてみて初めて、「あ、何かしなきゃいけなかった」と気がつくわけです。そこで、ガソリンを鉛フリーにしたり、高速を有料にしたり、ガソリンに高い税金をかけたりして、「きれいな空気」を守るコストを払うしくみをつくります。「きれいな空気」などは「公共の財産」なので、こういうしくみを作ったり税金をかけたりするのは基本的に政府の仕事です。それをExternalityをInternalizeすると言います。

今までアメリカは、ことガソリンに関してはExternalityをInternalizeしてこなかったと言われています(他の国に比べて、相当が値段が安かった)。でっかいピックアップトラックは、その政策の恩恵を受けてゆうゆうと広い国土を走り回っていたわけです。でもそのアメリカでも、昨今の価格はさすがにトラックユーザーを苦しめ初めているのではなかろうか。

車社会アメリカ、ついにターニングポイントにさしかかっているのかもしれません。
# by kinky25 | 2007-11-17 14:34 | カンキョウの話。

船場吉兆偽装問題に思う。

吉兆といえば高級料亭。高級料亭が食品の偽装をするなんて、バーバリーがウールの偽装をするようなものです。

けしからん。

というのが一般的な見解でしょう。

吉兆を擁護するわけでもなんでもないのですが、この「偽装問題」、私には常日ごろ疑問だったことがありました。

例えば、「関アジ」「関サバ」。これらって、大分県佐賀関沖でつれたものだけなはずなんですけど、ブームになったときはけっこうあちこちで見ました。それから、昨今ブームの「おとりよせ」。○○産の蟹だの、天然あわびだの、○○産コシヒカリだの・・・。今回の吉兆の場合は、但馬牛や三田牛だったようですね。

トータルではすごい量が出荷されてると思えてしょうがないんですけど、こういう「高級食材」ってそんなに生産キャパがあるんでしょうか??特に天然もの。通販で全国に売るほど獲れるのでしょうか?

もちろん、それらの生産者や流通のみなさんを全部疑ってかかっているのでは、毛頭ありません。ただ、「その食材は、どこから出てきたんだろう??」というのが、疑問で仕方ないのです。元来100しか獲れないところから、300ぐらい出してるような感じがするんです。実際、関サバ関アジはそれが問題になって、後日「証明ラベル」みたいなものができましたよね。

グルメでも何でもいいのですが、消費者は「おいしいもの」に執着するあまり、食べ物には何でも「生産キャパ」があるということを忘れがちです。そして、金さえ出せばなんでも食べられる、さらには提供する会社の競争によって、どんどん安くなるかのような錯覚を抱きがちです。

船場吉兆偽装問題に思う。_b0069365_1523396.jpgでも実際はそんなことないわけです。希少な食材は、数が少ないから希少なのであって、大量に出回ること自体がおかしいのです。日本人の大好きなマグロは、成長するのに何十年もかかります。それを日本人は「今お寿司が食べたいから~!」と、世界中のマグロが成長しきる前に獲って食べあさっています。天然のマグロ、世界の海から消えていっています。

刺身なんてそのへんには売っていません。お魚はずいぶん缶詰のお世話になってます。


偽装は悪いことです。でも、「おいしいものが食べたいから」という理由だけで、高級=希少食材を買い漁った結果、食材が少なくなって、偽装せざるを得なくなる、という構図が変わらない限り、また出ると思います、偽装問題。もちろん高級食材に限らずなんでも、「食べつくして」しまえば、同じことは起こると思います。

そして、私たちは「食べつくし」の限界に来ているのかもしれません。最近このことばかり書いているような気がしますが、世界平均で一人当たりにまわってくる食糧は、確実に減ってきています。そしてこの問題は、バブルがはじけるように一気に表面化するような気がしてなりません。大きな理由は日本の食糧の自給率が40%以下だということです。アメリカ一国でも、「もう日本に食料売るのやーめた」となったら、おとりよせどころではありません。

大問題でしょ?なぜ日本では食糧問題に危機感がないのか、私にはとても疑問です。偽装問題は氷山の一角です。「食料資源には限りがある、そして減ってきている」という大きな問題の。
# by kinky25 | 2007-11-16 14:43 | カンキョウの話。


筆者: 環境庁勤務・一児の母。 生息地: カリフォルニア・サクラメント。  ブログについて: サイエンスとトレンドを融合した、わかりやすいエコ・温暖化・サステナビリティ。コメント歓迎です(除く営業)


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