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ナノテクと発癌性

ナノテクの中心素材であるカーボンナノチューブは、NECの研究所で発見されました。世界的なこの発見、日本人の手によるものなんですね。しかしながらその開発は、アメリカなどが日本よりも進んでいるようです。このナノテク、とにかく粒子が小さいので(ナノとは1ミリの百万分の1!)、生体や環境にどんな影響があるか、未知の部分が大きいです。

b0069365_1527480.jpgナノテクは、技術開発と環境評価が同時に行われている初めてのテクノロジーと言われています。今までは、開発して、使ってみて初めて毒性があることがわかり、それから対策を考え始める、というパターンでしたが、ナノテクの場合は、一応生産が大規模になるかなり前の段階の現在、すでにいろいろな環境評価が行われています。

その評価の一環として、日本の研究所でのマウスを使った実験で、ナノチューブに発癌性が認められたとのこと。実験方法が特殊なので、だからといってすぐ人体に影響があるかどうかは確定できない・・・・ということだそうですが、少なくともよくはないということでしょうし、人間以外の生物や環境への影響も気になります。

ナノテクの環境への影響をわかりやすく解説したページを見つけたので貼っておきます。カーボンナノチューブは、電極なんかに使われていて、エネルギー効率がおそろしくいいので、大容量小型電池素材のホープでもあります。一方、化粧品に使われている「ナノ」は、酸化チタン、酸化亜鉛や銀の超微小粒子だそうです。今回発癌性が発覚したのはナノチューブなので、化粧品は大丈夫かと。

個人的にカーボンナノチューブで心配しているのは、その小ささと、「難分解性」。ものすごく安定した構造で、めったなことでは壊れないので、いったん環境に出てしまったら、何百年何千年と残るのではと言われています。もし数十年後にもっと研究が進んで、「ナノチューブ、やっぱりよくない。」となったとき、どうやって対処するのでしょう。土壌や大気に含まれて点在している1ミリの百万分の1のナノチューブを、回収しようったってそう簡単にできるとは思えません。もし「吸い込んではいけない」なんてなったら、ガスマスク着用でしょうか?ガスマスクでも1ミリの百万分の1はシャットダウンできないかな?焼却すればいいと聞きましたが、もし環境に出てしまったら、焼くのにも限界があります。

小さいことはいいことだ、と最近よく書いていますが、小さいことにも限度ってものがあるような気がします。

参考までに、US EPA(アメリカ連邦政府の環境庁)のナノテクの定義を下に貼っておきます。

1.Research and technology development at the atomic, molecular or macromolecular levels, in the length scale of approximately 1 - 100 nanometer range.
2.Creating and using structures, devices and systems that have novel properties and functions because of their small and/or intermediate size.
3.Ability to control or manipulate on the atomic scale.
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by kinky25 | 2008-03-08 15:20 | カンキョウの話。

シロアリが地球を救う?

Lawrence Berkeley National Laboratoryという、世界的に有名な研究所があります。ノーベル賞受賞者を何人も輩出している科学とエンジニアリングの研究所。この研究所のディレクターでありノーベル賞受賞者である、Steven Chu博士の講演を聞きました。(こういう人の講演がタダで職場で(仕事中に)聞けるのが、今の仕事のいいところ)

彼は物理とMolecular and Cellular Biologyの専門ですが、地球温暖化に造詣が深く、件のラボで、温暖化を防止するためのテクノロジーの研究を推進しています。代替エネルギーや、エネルギー使用の効率化、そして生物を使った新しいテクノロジーが主な取り組みのようです。おもしろかったのが、シロアリの話。

b0069365_1501514.jpgシロアリの腸内には、共生生物というものがおり、これが糖質加水分解酵素というのを分泌すると、セルロースが分解されて糖になるそうです。シロアリの小さな体の中にあるこの共生生物の酵素の力、なかなか破壊的なもので、これを使えば、廃材などに含まれるセルロースを活用して、バイオ燃料を作れる可能性があるとのお話でした。

・・・・とここまで聞いて、急に実家のシロアリ被害を思い出しました。実家は古い木造で、庭にも古い木があるので、時々シロアリの餌食になって業者を呼んでました。あ~思い出しただけでもちょっとぞっとします。シロアリって、どうにも気持ちが悪いんです。特に、叩くと(ごめんなさい。群生したのが家の中に入ってきた日には、そうしないと追いつきません)甘ったるいような苦いような、いや~な臭いがして・・・・。

ふむ。するってーと、あの甘ったるい臭いは、分解された糖だったのか?しかも、シロアリって、あっという間に材木を食い破り、家を傾かせたりしてしまいます。シロアリ被害で切り倒さないといけなくなった木は、中が空洞でした。大きな木だったけどな。・・・・・なるほど、彼らなら速やかに廃材を食い破るに違いない。そしてそこからバイオ燃料のエタノールができるかも、というのは、理にかなっている気がする。

私にとってシロアリとは、見るのもいやな存在でした。でも、あの臭いとか被害の様子を違った目で観察していたら、こういう新しい可能性に気がつけたかも知れないわけですね。自然界の現象を注意深く観察したり、「なんでこうなるんだろう?」と興味を持って掘り下げることってやっぱり大事だと思いました。

なにしろ、自然は何万年も品質改善を行ってきているわけなので、人間が数百年かかって編み出したものよりもよほど洗練された精緻な性能を持っていることが多いのです。

ただこの技術、最後にシロアリから糖を取り出すところのことが気になります。叩きつぶす・・・のでしょうかね・・・・?う~ん。

写真は、近くの公園に出没するワイルド・ターキー。見えるかな?
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by kinky25 | 2008-02-28 23:36 | カンキョウの話。

燃料電池・水素スタンド - hydrogen refueling station

昨日、元旦で休日だったのをいいことに、前から気になっていたこの施設の周りをちょっとだけうろうろしてみました。場所はS Street、59thと65thの間。I-50からよく見えるのです。

b0069365_13441549.jpgBP(↓注)という文字が見えます。

ソーラーパネルのようなものも見えます。

ガソリンスタンド風でもあるんです。

立ち入りは禁止のようです。

となりにSMUD(サクラメントのローカル電力供給会社)があります。


答えは、Fuel cell(水素燃料電池)で走る自動車のための、給水素ステーション、ただしできあがってるのかどうかは不明。

b0069365_13465750.jpgソーラーパネルが見えたので、太陽発電の何かなのかと思っていたら、まず太陽発電で電力を起こして、その電力で水を水素と酸素に分解して、分解された水素を電池につめ、その燃料電池で車を走らせる、と。

やや、ややこしいお話。

フォードとダイムラー・クライスラーが燃料電池で走る車(プロトタイプ)を担当し、BPが給水素ステーションのデザインと建設を担当するようです。

実験的なプロジェクトなので、一般にはオープンではなく、州の公用車などで実験するらしい。そういえば、職場の真向かいの駐車場に、公用車の燃料電池車が止まっているけどあれらを給水素してるのかな。

さて、水素電池は前にも書いたことがあります。水(H2O)を酸素(O)と水素(H)に分解してエネルギーを得るとのことなのですが、このOとHをひっぺがす作業にけっこうエネルギーが要るらしく、今の技術では採算が合わないそうです。日本政府の公用車として納車された燃料電池車も、目ん玉飛び出るような額でしたね。何千万だか億だか。

技術的なことは、勉強する努力はしておりますが専門ではございません。その私の意見なのでちょっとアヤしいですが、私は数ある代替エネルギー(風力、燃料電池、バイオエタノール・・・)では太陽発電応援派です。この場所も、ソーラーパネルがあったので、太陽発電かと思ったわけなのです。そしたら、まず太陽で発電して、その電気を使って燃料電池を・・・・・。

だったら太陽発電のエネルギーをそのまま使えばいいじゃん、まどろっこしいなあ、もう!

と思ったのは私だけでしょうか。(ほんとはそんな単純な話でもないのですが、心情的に。)

まあ、水素エネルギー技術は、今とてもはやっているので、いろんな国で盛んに研究されていて、お金も投資されています。みんなこの開発競争に乗り遅れまい、と必死なのでしょうかね。今はまだまだ採算がとれなくても、この開発競争の果てには水素ハイウェー時代がやってくるんでしょうか。

片やソーラー。古い話で恐縮ですが、Dash村って番組で、ソーラーカーで日本一周って企画がありました。手作りカーでもけっこうそれなりに走っていたと思うのですが。でもやっぱり地味ですかね。まあ、天気に左右されるという大きなハンデがあるし、昔から研究されているのに今ひとつブームになっていないのは、やっぱり発電力がそんなにないからなんでしょうね。でも、小さいものにはちょこちょこいけるんじゃないかとやっぱりそういう思いが捨てきれません。消費者が賢くなって、代替エネルギーを用途に合わせて使い分けることができるようになるといいです。今年は、ソーラーの充電器を買ってみようと思っています。



注)BPとは: 昔のBritish Petroleum・・・石油の最大手。今はBeyond Petroleumという名前に。石油から脱却して、代替・次世代エネルギーの開発に取り組むという姿勢をアピールするために名前を変えたのです。
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by kinky25 | 2008-01-03 14:08 | カンキョウの話。

食べ物・ナノテクノロジー・毒性。

親戚にうちの息子とほぼ同い歳(1歳7ヶ月)の男の子がいます。彼が10ヶ月のとき、「マックのチーズバーガーを1個ぺろりと食べちゃった」という話を聞きました。もちろん周りの人は「たくさん食べられてすごいね」という意味で話していたのですが、「10ヶ月児にマック」が、私には衝撃でした。

今日、父さんが彼に会ったら、1歳7ヶ月でポテトチップスバーベキュー味をばりばり食べていたそうです。(ちなみにアメリカのポテチは日本のよりさらにしょっぱい。)うちの子にもくれようとしてたとか。成長期の子供にジャンクフード、個人的にはとてもよくないと思うけど、それでもよそのお子さんに「やめなさい!」とまでは言い切れません。

b0069365_15451283.jpg話は変って大昔のことですが、連合赤軍浅間山荘事件というのがありました。事件の総括の一環として、「彼らはインスタントラーメンばかり食べていて野菜を全然摂っていなかった。そのせいで精神的にいらいらして不安定になって、凶暴性を増した」というような意見があったと思います。今そんなこと言ったら、「即席ラーメンが原因という科学的な証拠を見せなさい!」と麺会社から訴えられるんじゃないかなと思います。

食べ物って体に入るものだから、他のものよりもずっと厳しく毒性を厳しくチェックされています。なので、「毒性のある食べ物」が堂々と市場に出回っている、とは考えられません。とはいえ、ファストフードや即席ラーメンには「微妙な毒性の物質」が含まれているんじゃないかと思います。食べたことによって今日の明日はっきりと影響が出なくとも、数十年かけてじんわりと結果が現われるような、ゆるやかな毒性。でも現代社会では、そういう物質について、科学的なデータもなしに「微妙だからやめたほうがいい」とは言えません。そしてそういう「微妙な物質」の影響の科学的データを集めようとすれば、天文学的な手間とお金がかかると思われます。

最近この「毒性」(Toxicity)というのが、気になっています。食べ物とは直接関係ないけど、「ナノテクノロジーの環境評価」が今旬で、個人的によく耳にする言葉なのです。ナノテクは世界中で評価が始まっていて、「人体への影響」「生物への影響」「環境への影響」(つまり毒性)をいろいろな分野の専門家が調べ始めています。ナノ粒子は、「体に入ったら即影響が出る」という超急性のものは今のところ確認されてないと思います。どちらかというと「微妙な毒性の物質」の部類に入りそうです。実験データを集めようとすると、莫大な手間とお金がかかる、というところも同じです。

さてこの「微妙な毒性の物質」、一体何なのかずーーっと考えてました。そのうち、なんとなく自分なりの「毒性とは?」の定義が見えてきたような気がしている今日この頃です。

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人間って、最もゆるやかに進歩する生物だと思います。下等動物の中には、あっという間に環境の変化に適応して変わる生物もいるんですよね。(↑イギリスの蛾。産業革命期に、工場からのばい煙で汚れた空気に適応してグレーから黒に変わった!)

でも、人間はそんなに簡単に変わらない。何万年も前に、「自然界から摂れる栄養」や、「自然界から人体に入ってくる物質」を処理することを目的として作られた体の機能も、そんなに大きくは変わっていないのじゃないかと思います。ところがここ50年や100年で、それまで何万年も体の中に取り込まれたことがなかった物質が、急に入ってくるようになった。体のほうは、それに対応してすばやく変わるというところまではいかず、「想定の範囲外」の物質をうまく処理できない。そのために、機能不全を起こす。それが人体にとっての毒性ってことなんじゃないかと思います。

そういうふうに考えると、「人工のもの」には、人体にとって「想定の範囲外」のものが多い、というのが直感的にわかります。食べ物の場合は、主に化学物質(自然界に存在しない分子構造とか)や、摂取量でしょう。ナノテクの場合は、分子構造と、サイズ。人体が想定していない小ささなので、「DNAレベルで影響が出るのでは」とも言われていますが、いかんせんその影響を実験で調べるのが至難の業です。

もちろん、想定の範囲外で、いい影響を与えるものもあると思います。薬とか。でも、明らかにいい影響がない限りは、体内に入るものはできるだけ想定の範囲内にとどめてあげたほうが、体にとっては負担が少なく、楽なんじゃないかなと思ったりします。

この「微妙な毒性の物質」論は、あくまで個人的な意見で、科学的な論拠はありません!なのでつぶやきとして聞いてください。これが正しいか間違っていたかは、50年後、100年後にわかるかも。
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by kinky25 | 2007-11-12 15:01 | カンキョウの話。

ワールドカップ・裏の裏 - Road to South Africa -

b0069365_15182564.jpgサッカーファンです。2002年は盛り上がりました。3試合観戦しましたがあんなふうに金に糸目をつけず散財したのは後にも先もあのワールドカップだけです。もったいないと全然思わないぐらい楽しかったなあ。みんながそう思うW杯、多分世界最大のスポーツイベントでしょう。

世界最大のイベントであるからには、裏でいろんな"大きなもの"が動いているのだろうなあとは思うのですが、一般の一ファンにはそんなことはどうでもよかったりします、いい試合が見れれば。

でも、こういう風に動くのか・・・。と思った記事がこれ。「日本政府、2010年南アW杯を支援…レアメタル権益狙う」。

南アフリカの鉱物というと、金やダイヤモンドを思い浮かべるかもしれません。「永遠の輝き、デビアス。」ってCMがありました。デビアスは南アのダイヤ鉱山を発祥とする、ダイヤの世界的独占企業です。他には、プラチナ、パラジウム、銀などのPrecious metal(貴金属)も世界最大の産出国です。貴金属などもともと埋蔵量が少ないために希少(高価)な金属は、レアメタルと呼ばれます。このレアメタル、皮肉なことに、政治的に不安定だったりする国に偏って存在することが多いです。

b0069365_15221548.jpg数ヶ月前、「携帯がなくなる日」という記事を書きました。携帯などの電子機器には、いろんな種類のレアメタルが使われています。金やプラチナなども、ジュエリーにしか使わないと思いきや、電子機器や車のコンバーターにも使われているのです。「小さく、早く、大容量」という最近の電子機器に対する要求に応えるために、いろいろなレアメタルの応用が研究され、新しい技術として次から次へと市場に出されています。例えば、2000年ごろには、携帯でタンタルという金属を使った部品がはやりました。そのためタンタルの需要が一気にあがり、産出国コンゴでは権益をめぐって内戦状態になり、さらに採掘のために絶滅しそうなマウンテンゴリラの生息地の森が破壊されてしまいました。こういうことは、なぜか消費者にはあまり知らされません。

さて、日本はハイテク技術は進んでいますが、肝心のレアメタルの埋蔵量はほとんどありません。実は、お隣中国には豊富な鉱物資源がありますが、今までの政治的歴史からいって、足りなくなって来たら日本にはあまり売ってもらえそうもない、というシナリオは予測がつくと思います。

b0069365_1519833.jpg日本の経済を支えるハイテク技術、その技術を支える金属資源が、日本にはない。よその国から買うしかないのですが、中国はあまりあてできないし、各国の争奪戦を勝ち抜くしか方法はないという状況です。先行きは非常に不透明です。

そういうわけで、実は日本は、絶望的にレアメタルの安定供給を欲しています。のどから手が出るほど欲しいのです。W杯の支援で、世界中の誰もが狙っているレアメタルの権益が、果たして手に入るものなのか私には見当もつきませんが、でもどんな手を使ってでも欲しい、というその必死さだけは伝わってくる記事です。

金属資源という問題、大きいです。世界的に非常に限られた資源。採掘による環境破壊。国家間の争い、国内の紛争、経済のひずみ。人体・環境への影響。リサイクル。それでもどうにかして売ってもらわないといけない立場の日本。2014年のW杯、こないだブラジルに決まりましたね。実はブラジルもレアメタルの産地ですが何か・・・・。

プレイバックワールドカップ!独断と偏見のベストプレイヤー賞。上から
2002年 リオ・ファーディナンド/ England
1998年 ホアン・ヴェロン / Argentina
2006年 クリスティアーノ・ロナウド / Portugal
source: http://www.football.co.uk

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by kinky25 | 2007-11-06 15:20 | カンキョウの話。

iPhone, cell phone and what else?

Producer Responsibilityという言葉をご存知でしょうか。
元来製造メーカーは、モノをつくってそれが使われるまでの責任を負う、とされてきました。しかし、ここ10年ぐらいの環境への意識の高まりとともに、使用済み(End-of-Life)の段階にも責任あり、という考え方が主流になりつつあります。

b0069365_1472789.jpg製造元は、その製品のあらゆる段階において(デザインから捨てられるまで)の責任を負う、という考え方を、EPR(Extended Producer Responsibility)と言ったりもします。平たく言えば、「目先の利益だけ考えてモノを作るなよ。あとあとのこともよーーく考えて」ということです。ERPには、プロダクトデザイン(毒性のある化学物質をなるべく使わない、資源を有効に使う、リユース、リサイクルを促進する)、使用の段階(エネルギー効率がいい、長く使える)、使用済み(捨てたときに環境への影響が少ない、リユース、リサイクルしやすい)、そして、リユース、リサイクルのためのコストを負担する、などがあります。

言って見れば、「ぜーーーーんぶ作った人の責任。」という感じ。(ちょっと言いすぎかな)環境先進地域ヨーロッパでは、かなりEPRの精神が浸透してきつつあるのですが、環境よりもメーカーの利益が優先されるアメリカでは、EPRはなかなか言い出しにくいコンセプトだったと思われます(業界からの鬼のような反対)。でも、本日私が参加した会議ののプレゼンの一つに、カリフォルニアではこの1-2年で急速にEPRが浸透しつつある、という話がありました。それまでは「EPR」と口に出すのもはばかられるような雰囲気だったようです。・・・・・もちろんカリフォルニアといえば、シリコンバレー(IT企業の本社がたくさん!)がありますから。

でもいよいよもって、EPRを認めない会社は、道徳的に(CRS的に)問題である、という雰囲気ができあがりつつあるようです。そんな中、iPhoneが危険物質を使っている、というので、GreenpeaceがまたまたAppleにかみつきました。(日本はまだiPhone未発売?)
3,4年前に、携帯電話やPCでで起こったことがまたiPhoneで起こっているようですね。こんな危険な物質を使ってけしからん、というわけです。

このEPRですが、みなさんはどう思われますか?

実は、私は100%賛成じゃないです。

メーカーは確かに製造するモノの品質に対して、100%責任があります。危険な物質を危険と知りながら使うなんてもっての他。でもそもそも、何でそんな危険な物質を使わなければならないのでしょう?それは、それらの物質が、より安く、求められている性能を実現してくれるから、に他なりません。

つまり彼らは、「もっと早く。もっと強く。もっと便利に、もっと壊れないように。・・・・・しかも、もっと安く。」という消費者の底なしの欲望(もしくは無理難題)に応えているだけ、ともいえます。

それでも、消費者は無罪で、製造メーカーだけが有罪?

本当にそうなんでしょうか。

ネット接続、何mbpsなら満足か、考えてみてください。(ちょっと前はメガじゃなくてキロでした)

それを実現するために必要な化学物質と、それがもたらす環境への影響を考えてみてください。もっともっと早く。そのために、どれだけの資源を使って、どれだけ環境への負荷を増やしているか、考えてみてください。

どこが落としどころか、考えないといけないのは製造メーカーだけじゃないと思います。
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by kinky25 | 2007-10-17 13:48 | カンキョウの話。

Yellow beans / 黄インゲン・・・育ててもいいですか?

b0069365_13531596.jpg黄色いインゲンを見つけました。フライドポテトみたいです。

・・・というだけの記事だとつまらないので、このYellow Beansについて調べていたら、関係ないところでいやな話を発見してしまいました。

実は、アメリカでは1980年頃から、穀物・・・というかタネに「特許」がふつうに取れるようになっているのです。これは遺伝子組み換え穀物も含みます。特許がかかっているタネに何が起こるかというと、例えばAという会社がある種の豆の特許を取ったら、農家は勝手にその豆のタネを植えたり育てたりすることができないのです。育てる場合は、必ずその会社からタネを買わないといけません。さらに・・・。一年育てたら、その収穫からまたタネが出ますよね。それも使ってはいけないんです。使ったら法律違反です。タネの開発は、資本があって特許の取れる大手にだけ許される。農家は毎年毎年タネを買って(売りつけられて?)、黙って畑を耕すこと。・・・大げさにいえばそんな感じです。

Yellow beansで調べていたら、まさにこのある種類のYellow beans(インゲンではない)を育てていた農家が、「勝手に育てやがって許さ~ん!」と、特許を持っている会社から訴えられた、という記事に当たってしまったのでした。もちろん訴えられた農家は大打撃です。どうなってしまうのでしょうか。

なんとも後味の悪い話です。

アメリカでは、アグリビジネスは巨大ビジネスです。カーギル社とか、モンサント社なんてとてつもなく大きな会社なので、耳にすることあるかもしれませんね。世界的にも、各国に股をかけて展開するグローバル企業が10~20社あるのですが、ある意味で彼らが世界中の穀物や野菜などのタネを支配している、という側面があります。極端な例では、インド悠久三千年の米の特許を、そういったグローバル企業がアメリカで申請したりということが実際に起こっています。

遺伝子組み換え食品を戦略的に投入するという動きも含めて、我々の食生活は、大なり小なり大手アグリ企業に牛耳られているといわざるをえないかもしれません。私は、この話はあまり好きじゃないんですよね。考えるとなんだかぞっとするし、気持ちが暗くなります。事実なんですけど。それでも、

自然の恵みに「特許」って、どうにも「この世の末」という感じがして受け付けません。
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by kinky25 | 2007-10-14 14:13 | アメリカの野菜

携帯の電池はなぜ爆発するのか。

携帯電話のバッテリー爆発による事故がちらほら起こっている昨今です。

携帯電話やパソコンには、リチウム電池という種類の電池が使われています。実はこのリチウム電池、三洋、ソニー、松下の日本勢が世界シェアの7割を占めるという、日本の独壇場。動向が気になります。

そもそのこのリチウム電池、なぜ登場したかというと、電子デバイスの小型化、高パフォーマンス化にともなって、「小さく、しかもパワーがあって長持ちする電池」への需要が高まったから。よくよく考えると、あんな小さな電池パックで、携帯が何十時間も持つなんてありえないような気もします。

それを実現したのが、高電圧、高エネルギー密度のリチウム。しかし、まさにその性質のせいで、リチウムは爆発・発火しやすくもあります。諸刃の刃なのです。

b0069365_9141278.jpg例えば、長持ちするけど、洗って落とすのも簡単な口紅。
例えば、生で食べられるのに、えらく日持ちするレタス。

そういうのと同じで、一見できそうに見えるけど、完全に逆の性質を一つのものに求めてしまっているために、あっちが出ればこっちばひっこむ、ということになってしまって、実は両方を満足できるレベルでゲットするのはとても難しい。

そういったわけでリチウム電池開発競争は難航。各社試行錯誤を重ねて、1990年ごろから本格的に市場に出回るようになったわけですが、安全性への問題は、根本的なもののため完全解決することはもちろんできません。

電池の不具合、もちろん基本的にはメーカーの責任です。爆発で人身に被害が及ぶとはとんでもないことです。


リチウムの結晶。

でも、ちょっと引いてみて大きな視点で考えると、「完全に逆の性質を一つのものに求めている」ことにそもそもムリがあるのがわかります。リチウムにはぎゅっとエネルギーがつまっているから、爆発しやすい。それなのに、電池を小さく小さくして、エネルギーだけつめつめにつめて、でも爆発はしない電池を作れ、というのは、「1週間絶対落ちない口紅を作れ、しかも水で洗うだけですぐ取れるやつ。」・・・と要求しているのと同じこと。ちょっと考えれば、かなり無理ですよね。

でも我々消費者は、「まだ重すぎる。もと小さくしろ。もっといいのを出せ。しかも絶対安全に。」と要求し続けるわけです。

・・・・どこかで限界がきても、おかしくない気がします。

どんなに優秀なスポーツ選手だって、肉体の限界を超えて結果を出そうとすれば、怪我したり、薬物に頼ったり、という結末を招いてしまいます。

テクノロジーの限界が、見え始めたのじゃないでしょうか。小さく小さく、もっと軽く、もっと早く、もっと便利に高性能に・・・という要求は、無限にはできません。そもそも地球がキャパシティとして持っているものを越えてしまったら、どこかにムリやガタがきます。環境問題は、そのムリやガタのこととも言えます。携帯の電池が爆発し始めたのは、テクノロジーが限界を超えてきたアラームなのかもしれません。

同じ臭いを、ナノテクノロジーにも感じます。ナノテクは、今環境評価が世界的に始まったところです。まだ未知の部分が多すぎますが。

人智の限界、テクノロジーの限界、を、考え始める時期なのかもしれません。
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by kinky25 | 2007-09-01 09:09 | カンキョウの話。

なぜに水素エネルギーは究極のクリーンエネルギー?

中央官庁の公用車に、初めて水素自動車が導入されたそうです。一体全体おいくら!?お高そう・・・。

ところで、この水素エネルギー (hydrogen energy)、水素燃料電池 (hydrogen/fuel cell)、水素社会 (hydrogen society)・・・って言葉、最近よく耳にします。しかも「究極のクリーンエネルギー」という言葉とセットで、世界中ではやってます。水素エネルギー、一体何物なのでしょう。究極のクリーンエネルギーってどういうことなのでしょう。
b0069365_7452937.jpg

注) 利点を強調するためにものすごーく大げさに書いてます。

当たり前のことですが、温暖化の元凶CO2を出すためには、プロセスのどこかで"C"(炭素)を取り込んでいる必要があります。化石燃料の場合(右)は、化石に”C” が含まれていて、それが燃焼する際にCO2となって放出されるわけです。ところが水素エネルギーの場合は、(左)の通り、登場するのは水(H2O)ぐらいで、"C"はどこにも見当たりません! もちろんないものは出せませんから、水素エネルギーのシステムからは、CO2は一切出ないということになります。なるほど、これは究極のカーボンフリー!

というわけで、各国水素エネルギーの開発合戦をくり広げている所。そりゃーそうです。これほど究極のクリーンエネルギー、研究しない手はないですから。だけどこれがなかなかに前途多難。まず難しいのが、H2OからHを取り出すこと。どうしてわざわざHを取り出さないといけないかと言うと、水素は”H” の状態では自然界に存在しないから。”H” の状態でその辺にあるんだっら、それを集めればいいだけなのですが、そうは問屋がおろしません。水素はほぼ常にだれかとくっついています。一番おなじみなのがH2O(水) です。

ものすごーく平たく言うと、H2Oとは、HとOがくっついている状態。そこからHを取り出すためには、HをOからべりべりっと引きはがさないといけません。べったりとくっついているものを引きはがすには力が要ります。力が要るなら、何かが必要ですよね?そう、エネルギー。ん?ということは、エネルギーを生み出すためのHを取り出すために、たくさんのエネルギーが必要ということ? 何やら雲行きが怪しくなってきました。

Hを取り出すためには、電力を用いて水を電気分解するか、(上の図では触れていませんが)熱エネルギーを用いて天然ガスを改質する方法があります。これに化石燃料を使ったのでは本末転倒なので、太陽エネルギーや原子力を使った方法が積極的に研究されています。でもまだまだ先は長そう。今の段階では、とりあえず現存の電力を使ったとすると、結局ある程度は化石燃料に頼っていることになってしまいます。
b0069365_7454978.jpg
いずれにせよ残念ながら現状では、Hを取り出すために必要なコストのほうが、取り出したHが生み出すエネルギーの価値よりも高いのです。

さらには、水素はかさばるし、引火性もある。全国的な、全世界的な水素ステーション(ガソリンスタンドみたいなもの) をつくるのには、たくさんのハコモノが必要でしょう・・・安全で効率のいい輸送, 貯蔵を考えないといけませんから。それをつくるのにはさらなる化石燃料が必要なのでは。

もっと言えば、水素生成のもう一つのオプションである原子力は、使用を疑問視しなくていいのか?という問題もあります。

じゃああなた水素エネルギーに反対なのかと言われると、そんなことはないです。世界中の優秀な科学者が競い合っているのだから、すごい技術が出てくる可能性があるかもしれない。
まあでも、すごい技術の開発に何の貢献もできない凡人の私としては、応援はしても過度な期待はせず,当面は消費するエネルギーを減らす方向で地道にやるしかないかなと思います。

後記:短くするために相当はしょっています。水素エネルギーに興味をもたれた方は、ぜひいろいろとお調べください。ネット上だけでもたくさんの情報が入手できます。
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by kinky25 | 2007-08-07 07:43 | カンキョウの話。

Biomimicry

Biomimicryって言葉が最近あります。

bio(「生物界」とでもしときますか)をmimic(まねる)ということですけど・・・・。

わかったようなわからんようなですな。

こういうことです。

b0069365_14481155.jpg蓮の葉っぱに、雨が降る。

雨のしずくが、葉っぱの上を滑り落ちていく・・・・

ん?


今、滑り落ちていく、って言いましたね?滑り落ちていくってことは、蓮の葉っぱは、表面がつるつるっとして異物をはじく構造になっている、と?

b0069365_1450272.jpg・・・建物の壁なんですけど。雨風にさらされてすぐ汚れるので困ってるわけです。メンテナンスが大変でね。



じゃあ、蓮の葉っぱをまねてみたらどうでしょう?ね?つるつるっとして、雨風をはじくような構造にしたら、汚れないんじゃないでしょうか?

へぇぇ。ホントにやってみたのは、こちらの会社、Sto

Eco-designの世界では、このBiomimicry、かなり流行り始めています。自然の世界には、人間の叡智が及ばないようなすごい仕掛けやうまい仕組みがたくさんある。ワケのわからない化学物質なんかに頼るより、自然の仕組みに習って、それを取り入れてプロダクトデザインをやろう、という試みです。

私もまだ詳しくは知らないのでこれから勉強しようと思うんですけど、自然に習うのは日本人が得意としていたことだから、我らが先人がいい知恵を持っていそうな気がします。
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by kinky25 | 2007-04-22 15:06 | カンキョウの話。


筆者: 環境庁勤務・一児の母。 生息地: カリフォルニア・サクラメント。  ブログについて: サイエンスとトレンドを融合した、わかりやすいエコ・温暖化・サステナビリティ。コメント歓迎です(除く営業)


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