事実は小説よりも奇なり - Gold rush -
ゴールド・ラッシュのお話なんて、興味ない・ぴんとこないと思うんですけど、実はアメリカと世界の近代史を変えた事件かもしれません。知れば知るほど奇妙な歴史です。全ては1848年に始まり、そして、大方の決着は1850年に着いたのでした。わずか2年ほどの出来事でした。
←砂金発見第一現場。今はSutter Millsという碑が立っていて、川べりで砂金探しが体験できます。
1848年1月1日 カリフォルニアはまだメキシコの一部だった。
1848年1月24日 James Marshallという男が、American River沿いで砂金を発見。ゴールド・ラッシュが始まる。
1848年2月2日 アメリカ・メキシコ間の戦争が終結、カリフォルニアがアメリカに併合。
1849年 「金が出た!」という噂を聞きつけて、多くの人がカリフォルニアに押し寄せ、49ersと呼ばれるようになる。
1850年9月9日 カリフォルニアが正式にアメリカ合衆国の「州」になる。
1850年 もう金はほとんど出尽くしたようである。
このように、金が出た1948年~50年、カリフォルニアはある種の無法地帯だったのです。メキシコ領といってもその影響力は弱かったし、東海岸にあった政府からはあまりに遠すぎたのかもしれません。地元で自給自足、サステイナブルに暮らしていたインディアンたちには、金につられて後から後からやってくる銃を持った集団に対抗する術はあるはずもありませんでした。
それにしても、金が最初に発見されたのが、アメリカがカリフォルニアを併合する、たった8日ほど前!こんなことってあるんでしょうか。
とにかくそういうわけで、「金が出たぞ~」という噂がアメリカを、そして世界を駆け巡ったときに、彼らに対する法的な規制は、ほとんど何もなかったのです!誰でも勝手に入ってこれて、勝手に金を掘れて、勝手に懐に収めてよかったのです!「ただより高いものはない」とか言うけど、ほんとにタダだったんですね・・・・。
とはいえ、実は、私たちがゴールド・ラッシュと聞いてイメージする、川で砂をさらって金を見つけるようなやり方で金が見つかったのは、1948年の1年間ぐらいだったみたいです。わずか1年遅れで大挙しておしよせた49ersに、おこぼれはほとんど残っていなかったらしく、一日土を掘って何も出ず・・・・。という人が大半だったようです。
最終的に、金につられてカリフォルニアにたどりついた人数は、なんと30万人!アメリカ本土はもちろん、ヨーロッパ、中国、ハワイ、南米などおそろしくいろんなところから冒険野郎がやってきたんですね。
1848年と49年で金を手に入れ、金持ちになったのは実はほんの一握りの人間でした。わずかばかり遅れてやってきた30万人のほとんどは、砂金を手にすることはありませんでした。でも、30万人を相手に、砂金以外のビジネスを始めた人がたくさんいました。ここらあたりが、いわゆるカリフォルニアの企業家精神(Entrepreneurship)の始まり、と言われています。
それから、Hangtown(絞首刑)に代表されるようなフロンティア・スピリット(といえば聞こえはいいが・・・)や、「全米一訴訟の多い州」としての原型も、ゴールド・ラッシュ時代からの伝統なのだろうなと思います。30万人もの人が世界中から押し寄せて、突然隣り合わせに暮らすんですから。ガンだの絞首刑だの裁判だの、そういうものでしか収拾つけられなかったのでしょう。相当シュールな世界だと思います。
歴史に「もしも」はないけど、やっぱり想像をたくましくしてしまいました。もしも・・・
① 金発見が、メキシコ領時代だったら。(メキシコが金をゲットしていたら。)
② インディアンが金をゲットしていたら。(彼らは金には見向きもしなかったそうなので)
③ アメリカ(東海岸政府)が金を独り占めして、砂金移民を受け入れなかったら。
④ そもそもカリフォルニアに、金が出なかったら。
カリフォルニアは、単独で世界5位ぐらいの経済ブロックです。その運命の全ては、ゴールドラッシュから始まりました。ということは、そのシナリオが狂っていたら、「世界唯一の超大国、アメリカ」は変わっていたはず・・・・。
つづく。それにしても、天気が悪いときの写真はどうやって撮るのでしょう?悩。
←砂金発見第一現場。今はSutter Millsという碑が立っていて、川べりで砂金探しが体験できます。
1848年1月1日 カリフォルニアはまだメキシコの一部だった。
1848年1月24日 James Marshallという男が、American River沿いで砂金を発見。ゴールド・ラッシュが始まる。
1848年2月2日 アメリカ・メキシコ間の戦争が終結、カリフォルニアがアメリカに併合。
1849年 「金が出た!」という噂を聞きつけて、多くの人がカリフォルニアに押し寄せ、49ersと呼ばれるようになる。
1850年9月9日 カリフォルニアが正式にアメリカ合衆国の「州」になる。
1850年 もう金はほとんど出尽くしたようである。
このように、金が出た1948年~50年、カリフォルニアはある種の無法地帯だったのです。メキシコ領といってもその影響力は弱かったし、東海岸にあった政府からはあまりに遠すぎたのかもしれません。地元で自給自足、サステイナブルに暮らしていたインディアンたちには、金につられて後から後からやってくる銃を持った集団に対抗する術はあるはずもありませんでした。
それにしても、金が最初に発見されたのが、アメリカがカリフォルニアを併合する、たった8日ほど前!こんなことってあるんでしょうか。
とにかくそういうわけで、「金が出たぞ~」という噂がアメリカを、そして世界を駆け巡ったときに、彼らに対する法的な規制は、ほとんど何もなかったのです!誰でも勝手に入ってこれて、勝手に金を掘れて、勝手に懐に収めてよかったのです!「ただより高いものはない」とか言うけど、ほんとにタダだったんですね・・・・。
とはいえ、実は、私たちがゴールド・ラッシュと聞いてイメージする、川で砂をさらって金を見つけるようなやり方で金が見つかったのは、1948年の1年間ぐらいだったみたいです。わずか1年遅れで大挙しておしよせた49ersに、おこぼれはほとんど残っていなかったらしく、一日土を掘って何も出ず・・・・。という人が大半だったようです。
最終的に、金につられてカリフォルニアにたどりついた人数は、なんと30万人!アメリカ本土はもちろん、ヨーロッパ、中国、ハワイ、南米などおそろしくいろんなところから冒険野郎がやってきたんですね。
1848年と49年で金を手に入れ、金持ちになったのは実はほんの一握りの人間でした。わずかばかり遅れてやってきた30万人のほとんどは、砂金を手にすることはありませんでした。でも、30万人を相手に、砂金以外のビジネスを始めた人がたくさんいました。ここらあたりが、いわゆるカリフォルニアの企業家精神(Entrepreneurship)の始まり、と言われています。
それから、Hangtown(絞首刑)に代表されるようなフロンティア・スピリット(といえば聞こえはいいが・・・)や、「全米一訴訟の多い州」としての原型も、ゴールド・ラッシュ時代からの伝統なのだろうなと思います。30万人もの人が世界中から押し寄せて、突然隣り合わせに暮らすんですから。ガンだの絞首刑だの裁判だの、そういうものでしか収拾つけられなかったのでしょう。相当シュールな世界だと思います。
歴史に「もしも」はないけど、やっぱり想像をたくましくしてしまいました。もしも・・・
① 金発見が、メキシコ領時代だったら。(メキシコが金をゲットしていたら。)
② インディアンが金をゲットしていたら。(彼らは金には見向きもしなかったそうなので)
③ アメリカ(東海岸政府)が金を独り占めして、砂金移民を受け入れなかったら。
④ そもそもカリフォルニアに、金が出なかったら。
カリフォルニアは、単独で世界5位ぐらいの経済ブロックです。その運命の全ては、ゴールドラッシュから始まりました。ということは、そのシナリオが狂っていたら、「世界唯一の超大国、アメリカ」は変わっていたはず・・・・。
つづく。それにしても、天気が悪いときの写真はどうやって撮るのでしょう?悩。
by kinky25
| 2007-12-01 15:14
| アメリカ/カリフォルニア
筆者: 環境庁勤務・一児の母。 生息地: カリフォルニア・サクラメント。 ブログについて: サイエンスとトレンドを融合した、わかりやすいエコ・温暖化・サステナビリティ。コメント歓迎です(除く営業)
by kinky25
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